きょう11月29日はブラックフライデー。米国の感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日のことである。米国の商習慣の中では、小売店などで大規模なセールが実施される日として知られている。近頃は日本でも、ネット販売を中心にこの時期のセールが広がってきている。
商習慣として定着したのは50~60年代とされている。名前の由来は諸説あるようだが、感謝祭の翌日に仕事を休んで買い物に出かける労働者が多く、道にあふれた労働者たちに交通規制をかける警察が、その忙しさを指してブラックフライデーと呼んだ説などがある。
その名称はともかく、この時期にセールをする商習慣は米国市場にとって理にかなっているのだろう。高級専門店や百貨店はここで秋冬物の在庫を減らして、11月後半から店頭をリゾートコレクションにがらりと入れ替える。3カ月周期で店頭を入れ替えて売り場の鮮度を守る仕組みだ。年末年始を温暖なリゾートで過ごす富裕層に向けたリゾートコレクションは、ハイブランドにとっても売り上げの柱になっている。
サステイナビリティーの観点からセールの見直しが進む昨今の日本だが、果たしてブラックフライデーセールは定着するのか。大規模な消費喚起のイベントも大切なのだろうが、プロパーで長く丁寧に売ってほしいという作り手の思いに寄り添いたい。