梅雨入りが例年よりも遅れている。期間が通常通りだとすれば、梅雨明けも遅くなりそうだ。その後の猛暑も長くなる可能性が高い。
商業施設の夏の全館セールの日程がほぼ決まった。新静岡セノバが開始日を例年よりも約10日間遅くし7月12日にするなど一部で日程を見直す動きはあるが、大半は例年通り。多くが6月末から7月初めのスタートだ。ルミネは7月11~17日、ラフォーレ原宿は7月25~29日に実施する。
夏のセールについて、時期の後ろ倒しを望むアパレルなどのテナントは多い。温暖化の影響で暑い時期が長く続く中、実需に対応した夏物をプロパーで販売する期間を確保し、利益率を高めたいからだ。新静岡セノバはこうした要望の強まりに対応した。
「夏はこれからが本番」という時期に夏物を値引き販売する。こうした状況を疑問視するディベロッパーは、6月末に開始する企業を含めて多い。にもかかわらず、時期見直しが進まないのは、長年の商習慣を変えるリスクが大きいと判断したためなのか。確かに、セール時期は消費者に浸透しており、割安感を求めるニーズは根強い。
一方で、セール自体のパワーが弱まり、セール期間でもプロパー商品が売れる傾向が強くなっていることも確かだ。セールのあり方と時期について、業界全体でさらに議論していかなければならない。