不用な衣料品を百貨店の店頭で回収し、リサイクルするキャンペーンが相次いでいる。NBだけでなく、中小のブランドに広がり、「循環型社会への貢献や不用品の回収に対する顧客ニーズを背景に、買い取り・引き取りサービスが増えている」(都内百貨店)という。
春の卒入学や新年度に向けた買い替え、フレッシャーズなどの需要に合わせ、来店機会の創出、次回の購買の動機づけになっている。大手百貨店は、環境や社会の様々な課題解決への貢献と企業の成長の両立を目指すサステイナビリティー(持続可能性)経営が重要課題となった。
従来の収益重視の短期視点からLTV(顧客生涯価値)重視の長期視点へ経営の重点を移している。温室効果ガス削減や再生可能エネルギーへの転換のほか、ダイバーシティー(人材の多様性)、働き方改革の推進など目標達成までのロードマップを策定する。一方で、百貨店の本業を通じたサステイナビリティー活動が本格化している。
三越伊勢丹の不用品の買い取りサービス「アイムグリーン」、高島屋の循環型社会を目指すプロジェクト「デパート・デ・ループ」、大丸松坂屋百貨店の不用品を店頭で回収する「エコフ・リサイクルキャンペーン」などだ。衣料品の大量生産・廃棄の課題解決を通じて、製販共同で新たな事業機会を創出できる。