《めてみみ》記者の視点

2020/05/29 06:24 更新


 東京高検検事長と新聞記者との賭けマージャンが発覚した。辞職した前検事長の処分内容への厳しい意見はもちろんだが、検察とメディアの関係への疑問の声も上がる。メディアは情報を得るために、取材対象に接近する。その中で両者が信頼関係を重ね、いつしか極秘の情報を得られるようになる。同じ新聞記者として、そんな関係は想像に難くない。

 問題はメディアの独立性だろう。極秘情報をリークされスクープができる一方で、取材対象に都合の良い情報提供に加担していないかということだ。過去にも検察側の情報を報道し続けた結果、世論を巻き込んで冤罪(えんざい)を生んだことがある。

 メディアと取材対象は信頼関係を築きながらも、互いに自らを律する関係性が求められる。それは業界専門紙も同じだ。川上から川下まで、繊維ファッション業界を取材すると、立場によって状況も考え方も異なる。時に業種によって利害が対立することもある。その場合、記者は自らの担当分野だけではない異なる視点を持てるかどうかが重要になる。

 コロナ禍で、繊維ファッション業界は試練に立たされている。取引先や下請けに無理な負担を要求する事例を聞くたびに、違う視点から見たらどうだろうと考える。この試練を乗り切るには、みんなで少しずつ痛みを分け合う精神が求められている。


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