ユニクロは今上期、海外売上高が国内を上回った。伸びをけん引したアジアに関してファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「近代で初めてアジア40億人が中産階級になりつつある。(今後の成長に)ワクワクしている」と期待感を示す。
良品計画も中国市場の成長が業績に寄与した。ユニクロと同様、アジア市場で中産階級が増えたことが追い風となっており、それは無印良品の場合、売れ筋のある変化にも表れているという。
具体的には主力の中国で衣服に変わって生活雑貨が売れ始めたそうだ。松﨑曉社長によると、一般的に所得が増加するとまず安心安全の意識の高まりから食品が売れ、次に人との差別化になる着るものが売れる。日常生活に使う身の回り品にお金をかけるようになるのは最後という。
その変化が今、中国で起こっていて「最近は日常的に使う製品も、多少高くても品質が良く、デザインが優れたものを買う人が多くなり、当社の生活雑貨の販売比率が上がってきた」そうだ。
直近の好業績は自助努力もあるが、何よりアジア市場の成長が、自社のブランド認知がグローバルに広がり始めた時期と重なったことが大きい。人口の多い市場で、背伸びせず、日常を楽しむ層がさらに増え続けることは、そうしたシーンに向けた商品を売る企業にとって格好の追い風となる。