スマートフォン決済サービス「メルペイ」を運営するメルペイ(東京、青柳直樹社長)は18日、都内で事業戦略発表会を開いた。同社は今年2月のサービス開始以降、実店舗の加盟店開拓に力を注いできたが、今後はネット決済領域も拡大して、フリマアプリ「メルカリ」との連携を強める。
メルペイ決済できるECサイトを増やす。その上で20年初頭をめどに、消費者がメルペイ決済で購入したECサイトの商品を、購入履歴を元にワンタップでメルカリに出品できるようにする。「1次流通と2次流通を滑らかにつなげる」(伊豫健夫メルペイ執行役員CPO=チーフプロダクトオフィサー)という。
購入した商品はメルカリアプリ内の「持ち物リスト」に自動的に追加され、出品する際に必要な画像や商品情報などはあらかじめ登録されている仕組み。「メルカリで売ることを前提に服を買う」という消費行動が浸透しており、出品作業をスムーズにすることで、発生した売上金で次の消費が生まれやすくする。また、年間流通総額4900億円、月間アクティブユーザー1350万人を超える「メルカリ」の2次流通データを生かした商品開発支援や販売支援なども行う。
すでにANAP、クルーズショップリスト、ストライプインターナショナル、ストライプデパートメントが「メルカリへの出品連携」について同意しており、早期実現を目指しているという。またウィゴー、トウキョウベース、マガシークなど50を超えるファッションECサイトがメルペイ決済の導入を決めた。
ANAPの門倉清隆取締役執行役員デジタル営業部門長は「出品連携は、子供の成長に合わせて買い替える必要のある子供服と相性がいい」とする。クルーズショップリストの稲垣剛之取締役は「出品がスムーズになることで消費者にとって新たな財布が生まれ、既存客のリピートも期待できる」、ストライプデパートメントの山下隆太執行役員EC事業本部長CMO(チーフマーケティングオフィサー)は「不用になった商品を必要としている人に着てもらう流れが加速する」と話した。