メルカリとTOSEI協業 コインランドリーに撮影ブース

2019/06/27 06:29 更新


 フリマアプリを運営するメルカリと、コインランドリー店の運営や業務用クリーニング機器を製造・販売するTOSEIが協業した。TOSEIが直営するコインランドリー3店で、メルカリに出品するために洋服を洗濯してすぐ撮影できるブースを設けた。メルカリは「売ることを簡単にする」、TOSEIは「新しい客との接点を増やす」のが狙いだ。

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 TOSEIが直営しているコインランドリー「トーセイ・ランドリー」の東中野店、川口並木店、平台店で実施している。東中野店では店内にブースを設け、簡単にきれいに衣料品を撮影して、そのままメルカリに出品できる環境を整えた。

 ハンガーや、背面パネル付きのハンガースタンド、メジャー、梱包(こんぽう)資材、購入者へ送るメッセージカードなども揃えている。店で洗濯、撮影して、徒歩1分以内の場所にあるコンビニに持ち込めば、発送まで簡単に行える。

 TOSEIがメルカリに声をかけて実現した。直営店の共有スペースで洋服を撮影しているお客がいたことがきっかけ。両社の20~40代女性のユーザー層が一致することも後押しした。「洋服の撮影スポットとしての機能を加えることで、なじみがなかったお客を呼び込みたい」とする。

 直営店のほか、機器が導入されているコインランドリーに順次ハンガースタンドなどを配布する。今夏に50店、1年間で約500店で撮影スペースを設ける予定だ。「コインランドリーを洗う場所から笑う場所に変える」と、異業種との協業も積極的に進める。

 メルカリにとってはユーザーが出品する際の「出品物を撮影する場所が自宅にない」「部屋の日当たりが悪くきれいな画像が撮れない」といった課題を解消し、売ることを簡単にしたいと考えている。また「洗濯済みであることを明記した方が高い価格で売れやすい」ため、利用ニーズはかなり高いとみる。

 同社は日本郵便と組み、郵便局内に梱包用のスペースや梱包資材を提供する活動も行っている。メルカリのユーザーは出品する前に洋服のお直しやクリーニング、時計や靴の修理など様々な行動を経由してから出品しているため、今後もこうした協業でユーザーの利便性を高めていくことが予想される。

店の一角に撮影ブースを設置(トーセイ・ランドリー東中野店)


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