MD予算設計の順番の話②
前回からMD予算設計の順番の話になりました。今回のこの講義では、Dさんの携わる事業をモデルケースに考えようということになりました。
へい(''◇'')ゞよろしくお願いしますm(__)m
では、Dさんの携わる事業の特徴を、もう一度、以下復唱しますと...
・10店舗展開のセレクトショップ。自社商品60%。他社商品40%の売上構成
・自社と他社の値入率(仕入原価率)には、かなりの差がある
・レディースのショップでカテゴリー(品種)別の売上予算は、かなり変動する
・衣料品以外に服飾雑貨も展開(Dさんは、過去服飾雑貨のバイヤー)
・店頭鮮度を重視しているせいか、店頭がよく商品で溢れかえる
・商品によっては、年間置いてある定番商品もあります
とのことでした。
へい(''◇'')ゞその通りです。
で、今回の講義では「どこまで、きちんと予算設計をしようか?」ということを前回決めました。
・カテゴリー別・仕入形態別(メーカー別)の値入率の設定
・仕入形態別の売上・粗利・仕入・在庫予算
・(月別)カテゴリー別の売上・粗利・仕入・在庫予算
以上になります。
で、せんせ。そして、どのような順序で、MDの予算設計をすれば、良いのでしょうか?
Dさん。そんなにせかさないでくださいよ(;^_^A まずは、過去の連載でもお話したように、事業全体の売上・粗利益の予算は決まっている筈ですよね。
へい。決まっています(''◇'')ゞ弊社の場合は、以前にもお話したように店舗の月別売上予算も決まっています。
そうでしたね...では、今回はDさんの携わる事業に合わせ、
・10店舗展開のセレクトショップ。売上予算は20億円。
・売上予算は月別にまで決まっている。
・粗利率の年間予算は50%(粗利益高予算10億円)。
・上記の粗利益高で損益が黒字になる!
ということにしましょう。
へーい(なんか、せんせが面倒くさいのか、計算しやすそうな数字にしやがったな( ̄― ̄)ニヤリ)
ちなみに、Dさんのところの事業部の値入率の設定は、何%くらいにしていますか?
(@ ̄□ ̄@;)!! せんせ。厳密によくわかりません_| ̄|○ 自社商品が値入率70%。他社商品が値入率50%程度だと、認識はしてます(;^_^A
ですか...ということは、Dさんのところのセレクトショップの売上構成は、自社商品60%。他社商品40%だそうですから、以下の計算式で、事業部全体の値入率がわかります。
事業部全体の値入率=(自社商品の売上構成×自社商品の値入率)+(他社商品の売上構成×他社商品の値入率)
この式に、数字をあてはめますと...
(60%×70%)+(50%×40%)=62%
となり、Dさんのところの事業部全体の値入率は62%だと言うことが導かれます。
せんせ。すごい(◎_◎;) くだらない昭和ギャグばっかりの人ではないんですね!
(;'∀') あっ、ありがとうございます。
気を取り直して以下。今回の講義で使用する、事業モデルの予算設定を以下簡単に纏めると...
・(年間)売上20億円
・(年間)粗利率50%、粗利益高10億円
・値入率の設定62%(仕入原価率38%)
となります。
へい。了解ですっ(''◇'')ゞ
Dさん。予算の順番の話に入る前に、上記3つのことがわかれば、事業部全体の仕入予算。そして、どのくらいセールができるか?、要は、「セールを見越して、どのくらい多めに商品仕入を行うか?」ということもわかりますね。
へい。せんせ。これは、以前に習った復習問題ですね! 仕入の基本は、”売れる分だけ仕入れること!”という原則で則(のっと)ると。上記事業部の売上原価は10億円。よって仕入原価予算は10億円です。
10億円(仕入原価予算)÷38%(仕入原価率)≒26.3億円(仕入元売価予算)
約6.3億円分。売価変更が可能だということです。
ということは、
6.3億(売価変更分)÷26.3億円(元売価仕入金額)≒24%(OFF率)
年間で約24%くらいのセールができる分を余計仕入れる!という事業部のコンセプトになります。
ブラボー!!!その通りです。よく覚えていましたね! このことが、今回の事業モデルの基本予算設計になります。
(うわ、キモ)ありがとうございます。m(__)m
では、いよいよ次回から、この予算をベースにMD予算設計の話を深めていきましょう!
では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~
佐藤正臣
95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp