算数で極める達人MDへの道《第2講》⑤(佐藤正臣)

2019/10/09 04:00 更新


MD予算の数字はどこから出てくるの?②


前回は、MDの予算ってどこから出てくるの?というお話でした。Dさんの組織の場合は、店舗の売上等の予算が基本で、店舗とMDの売上予算は一致しなければならない!ということをお話しました。


マサ佐藤の過去のレポートはこちら

■「理想は僕の仕事がなくなること」-マサ佐藤語る


それはそうと、せんせのセミナーの8期も無事満席になったようですねw 


ありがとうございますww 次回のウェイティングの方もいらっしゃるみたいなので、来年1月末から9期を開催することになりました。


がーさすです。


もとい。.


へい。そして、事業部の売上予算等の設計にはいくつか注意することがある! だけど、私が損益計算書を知らなかった_| ̄|○ということで終わりました。


そうでしたね(笑)で、今回は、少し寄り道をして、簡単に損益計算書についてお話をします。


よろしくお願いします(''◇'')ゞ


では、Dさん。黒字とか赤字って言葉を聞いたことがあります??


へい。その言葉は会社でも聞いたことがあります。経理部長が、うちは黒字だ!と言ってましたが、黒字額が少ないと言ってました(笑)。赤字って言葉はニュースなどみてもヤバイことなんですよね??


ですね(笑)赤字が続くと場合によっては、その企業が倒産する可能性さえありますから、あまり聞きたくはない言葉ですね。では、Dさん、以下の図で損益計算書の構造をご覧ください。私が簡単に作ったものではありますが、これが損益計算書です。簡単にどんな項目があるのか?と言いますと...


・売上

・粗利益(売上―粗利益は売上原価)

・販売管理費及び一般管理費

・営業利益

 

 という項目があります。本当のことを言うと、営業利益以外にも、あと3つの利益の項目があるのですが、今回は、企業ではなく事業部のマーチャンダイジング(以下MD)に関することになりますから、営業利益以外は削除させて頂きました。


了解しました(''◇'')ゞ  せんせ。売上・粗利益・売上原価は、前回の講義でも学んだのでわかるのですが、販売管理費及び一般管理費と営業利益って何ですか??


いい質問です。まずは、販売管理費及び一般管理費のことです。この言葉は、よく販管費や経費等という言葉で表現されます。


そういえば、弊社の経理部がよく経費削減!!って言ってます。


そうですか(笑)簡単に言えば、事業を運営する際には、人件費や店舗の家賃・光熱費。商品を運搬する際の物流費などもかかります。Dさんが、店舗巡回する際の交通費なども含まれますよ。


なるほど。


もっと、簡単に言えば、Dさんの所属する事業部の運営する上で、必要な費用ということになります。実際、これを管理コントロールするのが、事業部長の役割でもあるわけです。


(@ ̄□ ̄@;)!! 勉強しないとまずいっすね。


次は営業利益です。営業利益を以下数式で表すと...

営業利益=(売上ー売上原価)ー販売管理費及び一般管理費となります。売上ー売上原価=粗利益のことになりますから... 営業利益=粗利益ー販売管理費及び一般管理費。これがプラスになれば、その分だけ黒字。マイナスになれば、その分だけ赤字だということです。


なるほど 販管費を削減すれば、その分黒字になりやすいから、経理はいつも「経費削減!」っていうのか...


そうでしょうね(笑)ただ、Dさん、MDとして肝心なことを忘れていませんか??


肝心なこと...(考え中)...そうか!! 粗利益をより多く獲得すれば、黒字になりやすいのですね。だからMDの仕事の目的は、”品揃え政策という仕事を通じて、組織の売上。そして粗利益をより獲得すること!”になるわけですね。


ブラボーです。


(もう、ブラボーいらんって...)


売上だけは良くても、セールのしすぎ等で、粗利益をより多く獲得することが出来なかったら、場合によっては、事業部が赤字になる可能性が高まるということです。だからこそ、事業部のMDの予算を作成する際には、事業部の損益計算書が黒字になるように意識して、作成しなければならない!ということなんです。


せんせ。損益計算書のこと。そして、改めてMDの仕事の目的が、今回よく理解できました。


ありがとうございますm(__)m


せんせ。一つ質問があるのですが、どんなに売上が高くても、家賃等の販管費が高かった場合。

その店は、赤字になることもあり得る。と。思うのですが、そんな店があった場合。どのように店舗の売上等の予算を考えたらいいのですか??


あら(+_+) そんな質問しますー? では、次回は今のDさんの質問も含めて、店舗別の予算を組む際に、どのようなことを意識したらいいのかを、前回と重複する部分もありますが、もっと細かく考えていきましょう。


では、皆さん次回もお楽しみに(@^^)/~~~



95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



この記事に関連する記事