1639年8月22日は、「マドラス(Madras)」の地名が生まれた日です。南インドの港町で、地名は英国人によってつけられたもの。それ以前には「チェンナイ」と呼ばれていたそうです。
当時、インドを征服した英国にとって、マドラスは重要な貿易港でもあって、インドの絹などを英国に運ぶこともあったようです。ただし、1996年以降は昔にかえってチェンナイの地名となっていますが。
地名が由来となった生地のマドラスはもともと無地であり、やがて縞柄となり、格子も織られるようになったものでしょう。19世紀はじめはターバンの生地であったようです。ターバンからやがてスカーフに、スカーフからハンカチなどにも。
その後、シーツなどの日常品にも使われるようになったものです。それはともかく、19世紀のマドラスが、英国からはじまったことは間違いないでしょう。(服飾評論家・出石尚三)