算数で極める達人MDへの道《第2講》⑬(佐藤正臣)

2020/09/18 06:00 更新


商品を売る期間を定めよう!②


今回は、実際に売上予算を、春・夏・秋・冬商品に分解してみましょう!ということでしたね?


へい!


では、前回まで作成した月別売上予算を使用するのですが、この連載のご覧の皆様からの声で、1年分の数字が入ると見づらい!わかりにくい! ということで。今回からは、半期の3月~8月までの数字だけを使って、今後のお話を進めていくことにしましょう!


へい!(てか、コイツ手を抜いたな。。。"(-""-)")


では、Dさんに売上を分解してもらうその前に! 前回、Dさんの組織の”適時”に関する商品管理ルールの再構築を行うということでしたが、どうなりました?


前回の講義が終わるまでの、私の組織の商品区分は...定番品・梅春・春・初夏・盛夏・初秋・秋・冬です。8つもありましたが、今回、春・夏・秋・冬・定番品だけでいいじゃん、ってことになりました。そして、販売終了日に関することなんですが、春・夏は8月31日まで。秋・冬は2月28日までとシンプルなものにしました。理由としては、例えば、春の新商品を5月以降に投入することはないのですが、私の組織では、いつも夏のセールにて、残った春物商品の消化を行っているので、そのようなルールに致しました(‘’◇’’)ゞ


ブラボー!!素晴らしいじゃないですか!


ただ、せんせ。ただ一つ問題がありまして...


それは何ですか?


...定番品って販売終了日どうしたらいいの??って話になりまして_| ̄|○


おっ!Dさん。それは、よいところに気付きましたね。ところで、Dさんの組織の定番品の定義って何ですか?


定番品の定義と言われてもあってないようなものなんですが( 一一)。しいて言えば、来年を再来年もセールしないで、売れる商品ですかね...ですが、そのことも組織として統一したルールがあるわけではなく、MD・バイヤーの主観によるところが大きいですね( 一一)


なるほど...それはいけません。因みに、私は商品の管理ルールに”定番品”など使うな!ということを、皆に伝えているんです。


マジすか(@ ̄□ ̄@;)!! でも、それは何故ですか?


この連載の読者は、アパレル・ファッション小売業界の方が多いと思うのですが、とくにアパレル・ファッション小売業界で、定番品や継続品等の商品管理は使わない方が良い!ということを常々言ってます。それは、何故かというと?そのような商品管理ルールを用いている組織は...

”在庫が大きく膨らんでしまう可能性が高いから!”です。


(◎_◎;) まさにうちの組織がそんな感じです_| ̄|○


あれま。ビンゴですね"(-""-)"。では、Dさん。何故”定番品”っていう商品管理ルールを用いると、在庫が膨らむと思いますか? 心当たりを述べてみてください。


へい。私たちの組織の感覚だと、定番品と言われる商品は、”来年も売れるから、別に今シーズン全部売れなくてもいいや!”という感覚に陥る。だけど、次年度になると結局、そのことを無視してまた商品を仕入れる。結果。ずっとそのようなことを繰り返しているので、在庫が増えているような気がします_| ̄|○


Dさん。よく分析できてますね。まさにおっしゃる通りです。顧客に向けて、この商品は、「定番品ですから、長いことご愛用できます!」とインフォメーションをすることは、全然問題ないですし、寧ろそのことがブランド・ショップコンセプトと合致するならば、その方が良いと思います。ですが、定番品という概念を商品管理ルールに持ち込むのは、Dさんが仰ったようなことが起こりがちになるということです。


商品そのものの”定番品”という考え方と、商品管理ルールにおける”定番品”ということを、わけて考えた方が良い!ということですね?


はい、その通りです。だからこそ、流行に左右されやすく、商品の鮮度が短いアパレル・ファッション小売業界では、定番品を商品管理ルールに持ち込まない方が良い!ということです。


なるほどですね。


ただ、小売業界は、アパレル・ファッション小売業界だけではないですから、どうしても”定番品”という商品管理ルールを用いらざるえない場合は、以下のことを意識すると良いでしょう。


・一年中。商品を店頭で展開している商品
・(基本)セールして売る必要のない、顧客に長く愛される商品
・同じ型・デザインでも、色・素材によってわけて考える
・ある一定の期間で、必ずチェックする(定番品の降格をジャッジする等)


このようなことを意識したら良いのではないでしょうか。


へい(''◇'')ゞせんせ。私の組織も”定番品”という商品管理ルールはなしにします!


承知しました。ところでDさん。今回で月別売上を、さらに商品の販売期間で分解する予定でしたが、ここで字数の制限が来てしまいました。


(@ ̄□ ̄@;)!! ですね。


ということで次回は、実際に売上予算を、春・夏商品に分解してみよう!ということを

行います。


では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~


佐藤正臣

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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