仏LVMHモネ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンが革新的スタートアップの発展を目的に創設した第7回LVMHイノベーションアワードの授賞式が、欧州最大のスタートアップ&テックフェア「ビバ・テクノロジー」(パリ)で開催された。今年は6部門で合計89カ国から、前年より250社多い1545社の応募があった。
アワードに日本から初めてノミネートされた、障害者のアート作品を扱う福祉実験カンパニーのヘラルボニー(盛岡市)が、「社員体験、ダイバーシティー&インクルージョン」部門賞を受賞した。「異彩を、放て」をミッションに、障害のイメージ変容と新たな文化の創出を目指すヘラボニーは、歴代受賞者には当てはまらないスタートアップとして同アワードに輝きを与えた。
海外事業責任者の小林恵さんは受賞直後に、「狙っていたグランプリを逃したのは残念ですが、授賞式のステージで『ヘラルボニー』の名前が呼ばれ、世界に知られたことは、作家たちを代表しとてもうれしいです。トロフィーを早く日本に持ち帰り、作家のみなさんにたくさん触って欲しい」と感想を述べた。
日本から授賞式を見守っていたヘラルボニー共同CEO(最高経営責任者)の松田崇弥・文登両氏は、「支援してくれた企業、そして何よりも私たちを信じて契約を結んでくださった福祉施設の皆様、異彩作家の皆様、そして家族、全体の受賞です」と感謝の意を表した。
(パリ=松井孝予通信員)