【パリ=松井孝予通信員】仏ケリングの24年7~9月の売上高は、アジア太平洋市場(30%減)の不振が大きく響き、前年同期比16%減(為替変動などを除いた比較可能ベース)の38億ユーロだった。24年の営業利益を前年の約50%減にあたる25億ユーロの見通し。
【関連記事】「ケリング・ジェネレーション・アワード」 最終選考に進む11社を選出
同社の総売上高約50%、営業利益の3分の2を占める「グッチ」が、25%減の16億4000万ユーロと落ち込んだ。同期業績については他のラグジュアリー企業も、中国市場不振の影響で減収を発表しているが、特に同国での成長がめざましかったグッチは、厳しさを増している。
25年1月に、グッチの現副CEO(最高経営責任者)のステファノ・カンティーノ氏がCEOに就任し、さらなる改革に取り組む。
ケリングは、傘下のブランドのマーケティング投資を持続するとした上で、すべての分野でコストを削減するとともに、グッチに関しては、中国の需要に応えるために、最高の立地に限定し店舗運営を行い、必要に応じて店舗拡大も検討している。
「イヴ・サンローラン」は12%減、「ボッテガ・ヴェネタ」は5%増、その他のブランドは14%減、ケリング・アイウェアとコーポレートは7%増だった。