アパレル修整の加藤加工所「1枚~数千枚に対応します」 高い技術力が強み

2025/01/14 06:25 更新


今いるベトナム人実習生は修整技術の吸収力が高いという

 加藤加工所(岐阜県、加藤隆行代表)は、アパレル修整を主なビジネスとする縫製工場だ。元々、加藤代表の父である加藤勝一氏(故人)がテキスタイルなど反物修整として創業。それを加藤代表が約37年前に継いだ。当初は加藤代表も父と同様に反物の修整を主な事業にしていたが、徐々に修整も中国に移転していき、ビジネスとして難しい局面を迎えた。それもあり、外国人技能実習生や日本人の技術者を迎え入れて、アパレル製品の修整にかじを切った。

(森田雄也)

 強みは技術力だ。修整はポケットや前立て、襟の形のゆがみ、ステッチのほつれなど部分的に的確に修整する必要がある。「直しは言葉では伝えにくい部分がある」(加藤代表)とし、常に考えながら、慎重にミシンを踏む。アパレル縫製とは違った難しさがある。ほかにもセーターのかけつぎにも対応するほか、祖業である生地のキズなども修整する。

 現在ベトナムからの実習生2人、日本人2人の計4人で工房を回す。実習生のうち、1人は母国で縫製ラインのリーダーをしていたこともあり、縫製技術が高く、もう1人も技術力が一定水準以上ある。日本人も縫製経験が長く、縫製に関する技能検定の所持者もいる。

 メインの仕事はカラーフォーマルの修整で、レディスが中心。ほかにも、パンツやカットソー製品も受ける。枚数は1枚から数千枚まで幅広く対応する。修整の内容にもよるが「6000枚の時は2カ月で対応した」とし、数百枚の場合は3、4日程度を想定する。

 メインの取引先は県内の大手アパレル企業など。また、近隣にあるクリーニング店の担当者が顧客から相談されたリペアが必要な衣服を持ち込んできて、対応することもあるという。

 技術者が揃っていることから、アパレル製品のサンプル生産や20~30枚程度の小ロット生産もアイテムや工賃によっては受ける。

 ミシンを使った修整は岐阜県瑞穂市の工房で行うほか、染み抜きや色染めなど薬剤を使う修整は岐阜市に構える工房で対応する。

 今後2、3年の間に、人材を増やし、機材を増強するなどし、「工場を充実させていく」計画だ。



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