《香川シームレス、ストッキング業界を支えて60年㊤》満州・シベリアを経て初代が創業

2025/10/06 14:00 更新会員限定NEW!


大型投資を決断。完成直後の本社工場編み立て室

 瀬戸内の温暖な気候に恵まれた讃岐平野の一角、香川県の坂出市と丸亀市の境に、優美な姿を現す讃岐富士(飯野山)がある。そのふもとで、60年にわたりストッキングを主にレッグウェアを作り続けてきたのが香川シームレスだ。OEM(相手先ブランドによる生産)を中心に、裏方として数多くの著名ブランドを支えてきた。円高、〝生足〟ブーム、主力取引先の破綻、そしてコロナ禍と、今日に至るまで幾多の時代の荒波を乗り越えてきた。

業界の上位目指し

 創業者の金地繁雄は、香川県白鳥町(現東かがわ市)の出身。第2次世界大戦前に旧満州に赴き、満州電信電話公社に勤務した。大連から新京(現長春)へと計7年、若き日々を中国大陸で過ごす。終戦直前、軍隊の召集を受けた後、戦後は捕虜としてシベリアに抑留、3年近く強制労働で辛酸をなめた。

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