【パリ=松井孝予通信員】化粧品の仏ロシェグループは9月4日、傘下の子供服ブランド「プチバトー」を米投資会社レジェントに売却すると発表した。88年以来傘下にあったが、ロシェは本業に集中する方針を今年1月に示していた。取引額は非公表、労働組合との協議を経て正式決定する。
プチバトーは1893年に創業。フランスの繊維産業を象徴する存在で、現在も同地の工場で一貫生産する。24年の売上高は2億5000万ユーロで、仏国内が55%、欧州が25%、日本が10%を占める。世界370店のうち約60店が日本で、25年上半期の日本におけるEC売り上げは前年同期比8.3%増と好調だった。
ロシェは「プチバトーの持続的な発展を保証する最良の条件」としてレジェントを選定した。カリフォルニア州ビバリーヒルズを拠点とする投資会社で、「DIM」「バリー」「ラセンザ」など老舗ブランドの再建実績を持つ。
今回の売却で、プチバトーが守ってきた仏国内生産や、国内従業員1400人の行方に注目が集まる。また、国内生産で培った技術を基盤に他ブランド向けのOEM(相手先ブランドによる生産)も手掛けており、体制変化の影響も焦点となる。