JR博多シティと博多阪急は10日会見し、17年3月期概況を明らかにした。アミュプラザ博多や博多阪急などJR博多シティ館内6施設に、昨年4月に開業したJRJP博多ビル飲食街を加えた売上高は1061億円(前期比2.5%増)となり、5期連続で過去最高を更新した。
昨年4月に隣接地に博多マルイを核とするキッテ博多が開業し駅前地区の来街者が大幅に増加、「アミュプラザ博多では、全国的には不振の衣料品が順調な売り上げ」(渡邊晴一朗JR博多シティ社長)となり、既存6施設でも0.2%増の1037億円を確保した。
主要施設の売上高はアミュプラザ博多389億円(1.7%増)、博多阪急444億円(1.3%増)、博多デイトスとアミュエストなど4施設で202億円(4.9%減)、JRJP博多ビル飲食街24億円(計画比32%増)だった。熊本地震の影響で一時はインバウンド(訪日外国人)を中心に観光客が減少したが、年間ではキッテ博多開業効果が大きく、集客が好調でアミュプラザ博多と博多阪急の入館者数は約5147万人(6.1%増)、博多デイトスとアミュエストは約1908万人(1.7%増)となり、合計で開業来初めて7000万人を突破した。
アミュプラザ博多でビームスなどセレクト店が伸ばして衣料品が3.9%増、飲食店急増の影響で大型飲食街はボリュームゾーンで苦戦した。博多阪急では化粧品やアクセサリーが好調で紳士服、子供服も順調だった半面、婦人服は苦戦した。博多デイトスなどは土産物がやや苦戦、飲食店も前年割れだった。インバウンド需要は客単価の大幅な下落を客数増でカバー、博多阪急では免税売上高が前年並みで売上高構成比6%を維持した。
JR九州のハウスクレジットカード、JQカード有効会員数はアミュプラザ博多で3万人超を獲得、各地のアミュプラザなどでの獲得を加えた全体では前期比7万人増の約55万人に達した。常時5%オフに加え、年間数回実施する10%オフセールで衣料品売り上げを支えた。
商業集積が進み、博多駅地区の集客力が高まった(アミュプラザ博多)