オンワード樫山「J・プレス」のレディスが好調だ。今春夏も3月以降、前年比10%前後の売り上げの伸びが続いている。トラッドの流れに乗っているだけでなく、スタイリング提案の強化などMDの改善策が実っている。
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5月は10%増となった。パンツはポリエステル・綿混のしわになりにくい定番商品がストレート、ガウチョともにヒット、ワンピースもポリエステル・綿混のサッカーの商品(1万9000円)が売れたほか、ECではジャージー使いのかぶりブラウスがヒットした。また、コードレーンのポリエステルジャージージャケット(2万6000円)も投入、5月でほぼ完売した。
3月はオケージョン対応のセットアップが良かったほか、コートもマウンテンパーカタイプ、ステンカラータイプが人気でECでも売れ筋となり、コートは30%増と伸びた。4月はブラウス風カットソー、パンツがリードした。5月後半からは秋を感じさせる濃色企画を投入し、6月も売れ行きを持続している。
同ブランドのレディスはここ10年間で売り上げが1.5倍と堅実に拡大してきた。ここにきて伸びが目立つのは昨年からトラッド要素がトレンドのポイントになっているほか、パターンオンパターンやベーシックアイテムとトレンドアイテムの掛け合わせなど単品のスタイリング提案を強めたことで、単品の需要を掘り起こすことができたため。また、期中対応も強化し、シーズン後半の需要に対するMDの精度を上げた。
今年の夏物の後半は、値頃なプロパー品だけでなく、期初に作り込んだ質の高い企画で単価を上げ、売り場の鮮度を高める商品群を投入する。昨年まではシーズンに先立って作ったプロパー品を投入していなかった7月に「リバティ」やストライプのシリーズを販売する。
ECは50%以上の伸びで、実店舗よりもやや洋品の売り上げ比率が高い。ECだけで販売しているSサイズは昨年の倍の売り上げとなっている。「ブランドの長い歴史が品質などへの安心感につながっており、実店舗よりも若い層の購入が目立つ」としており、実店舗への顧客化にもつなげていく。
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