【記者の目】注目されるシニアマーケット ポジティブ需要に照準

2024/04/08 13:00 更新有料会員限定


 シニアマーケットへの注目度が高まっている。少子化の一方で、高齢者人口は年々増えており、今後の市場性に期待感は強まっている。高齢の就労者が増えているほか、以前よりも行動が活発になっているため市場としての魅力は増しているが、すんなり掘り起こせない難しい市場として見られてきた。しかし、シニア層の分析も進み、シニア層と結びつくことで市場を開拓する動きも出ている。今後、多様な需要開拓が期待できそうだ。

生活産業市場50兆円

 日本の65歳以上の高齢者は23年9月時点で3623万人(総人口に占める割合は29.1%)で、増加傾向が続くとみられる。第2次ベビーブーマーが65歳になる40年以降には3900万人と、総人口の35%前後に高まる見通しだ。65歳以上の高齢者市場規模は25年で101兆円規模と見られ、その半分を生活産業が占める。

 読者の数を伸ばし続けている雑誌『ハルメク』は、退職金や相続、投資などで60代以降の資産が大きく増え、70代以降も増えているとみている。日本の個人金融資産約1700兆円のうち、60歳以上が約6割の1000兆円の資産を保有している。ただし、資産に対して消費は弱く、特に75歳以上の後期高齢者の消費は大きく落ちる。

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