国際合同展主催者 BtoBマーケットプレイスを導入

2017/07/26 04:24 更新


 国際見本市を運営する企業や団体が、BtoB(企業間取引)のマーケットプレイスの運営・導入に力を入れている。常設展として、受発注や在庫商品の追加納品に対応し、異国間の卸ビジネスを活性化する狙い。出会いの機会を広げ、輸出入の手続きを効率化する利点もある。

 一定の成果を上げているのは、ベビー・キッズ・マタニティー関連「プレイタイム」を主催する仏ピカフロールのファッションとデザイン専門の「プレイオロジー」(運営は14年7月から)。8カ国語対応で、大人服やインテリア製品も対象に、5月に受発注の機能をバージョンアップした最新版を開始した。請求書の発行、インボイスや納品書の作成など貿易実務の機能を追加、取引先に応じて日本円を含む全通貨から選べる。

 登録バイヤーは1800人だったが、刷新後は登録者数がぐっと伸び、年末には2500人に達する勢い。現在の登録ブランド数は600近い。うち日本のブランドは10%と、着実に増えている。出展費用は50型までの1年契約で24万5000円、300型までで45万5000円。リアルの合同展に2回参加する場合と比較すると、格段にコストが抑えられ、小さい企業や個人事業主にも世界へと販路を開く可能性を広げている。

 世界十数都市を回る靴の合同展「シューズ・フロム・スペイン」を開催するスペイン靴工業会は今月末、「シューズ・フロム・スペインB2B」を立ち上げる。受発注だけでなく、クレジット・マネジメントを専門にする仏企業の協力で支払い機能も備える。BtoBマーケットプレイスは、靴業界では初めてとされる。スペイン貿易投資庁も支援し、グローバル市場でのスペイン製靴の競争力を高める。日本で売れている有力ブランドをはじめ、40ブランド以上が同プロジェクトに参加している。

 ベビー・子供服、靴の業界が、こうしたプラットフォームに着目しているのは、サイズが多岐にわたり、SKU(在庫最小管理単位)が格段に多いことも背景にある。煩雑な受発注を、正確かつ効率的に管理できる。出展企業は、一定期間の注文を合算した形で閲覧したり、過去の受注数の統計データを確認できたりと、マーケティングツールとしての活用が可能だ。メーカーごとに異なる発注書が統一されるため、バイヤーは色やサイズ表示に迷うことなく、安心してオーダーができる。

シューズ・フロム・スペイン展では支払い機能も


色やサイズが多岐に渡っても受注数を正確に管理できる 「プレイオロジー」



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