17年知的財産侵害物品の輸入差し止め件数 3万件超え

2018/03/13 04:27 更新


 財務省によると、17年の税関における知的財産侵害物品の輸入差し止め件数は3万627件(前年比17.6%増)で、3年ぶりに3万件を超え、過去2番目の高水準となった。一方、輸入差し止め点数は50万6750点で18.6%減少した。貨物ではなく郵便を使うケースが増えており、1件当たりの点数が減っているのが要因。輸入差し止め価額の合計は推計で約113億円に上る。

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 件数・点数ともに中国からのものが圧倒的に多く、件数では中国が92.2%を占め、前年より18.1%増えた。次いで香港(構成比2.7%)、フィリピン(1.4%)、韓国(1.1%)が続く。

 件数では偽ブランド品などの商標権侵害品が98.0%を占め、財布やハンドバッグなどのバッグ類(構成比38.8%)が最も多く、次いで衣類(14.0%)、靴類(12.1%)、スマートフォンケースなどの携帯電話及び付属品(11.1%)の順。点数についても商標権侵害品が61.8%を占めるが、イヤホンなどの電機製品(23.1%)が前年比約6倍と大幅に増え、次いでスマートフォンケースなどの携帯電話及び付属品(12.8%)が多い。衣類は4位で構成比8.0%、点数は前年比13.8%増えた。

 輸送形態をみると、郵便物が件数の92.5%、点数の43.5%を占めており、一般貨物は件数では7.5%に過ぎない。手口としては、玩具や海苔の中に商標権を侵害する腕時計や財布を隠して輸入しようとしたり、バッグの商標部分に別のブランド名のシールを貼り、シールをはがすと有名ブランド名が出てくるものなどがあった。



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