『Love Letter』的UNWINDな小樽へ(宇佐美浩子)

2019/04/18 06:00 更新


Medium %ef%bc%97%e6%97%a7%e6%97%a5%e6%9c%ac%e9%83%b5%e8%88%b9%e5%b0%8f%e6%a8%bd%e6%94%af%e5%ba%97img 3586

大型ゴールデンウィークを前に、さまざまな旅をプランされている方も多いこの時期。

前回のROMAに続き、今回は日本の旅へのロマンを駆り立てる「CINEMATIC JOURNEY」へとナビゲートいたしたく!

テーマは、「『Love Letter』的UNWINDな小樽へ!」 


さて、上の写真はどこでしょう?ヒントは今回のテーマにもある「Love Letter」。

ひょっとして、即答された方はもしや…?

ということで答えは、1995年の日本公開に次ぎ、海外でもアジアを中心に公開され話題を呼んだ、岩井俊二監督の長編デビュー作のタイトル。

主演は一人二役を演じ分ける中山美穂と豊川悦司。

メールではなく、手紙によるコミュニケーションがごく当たり前に感じられた当時、小樽と神戸を舞台に、誤送されたラブレターから始まるラブストーリーは、数々の賞に輝いたことでも知られる。

「アジアでの人気が高かったようですが、その中でも韓国は別格で、聖地巡礼に訪れる方は未だに多いですね」

とは北海道・小樽の観光案内所スタッフの話。よって「映画『Love Letter』ロケ地マップ」も完備されているのが有難い。そこで、肝心の上記写真の答えだが、数あるロケ地の一つ、小樽の中心地的一角ともいうべき「色内交差点」。

ちなみにこの辺りはその昔、「北のウォール街」として知られた銀行街で、日本銀行旧小樽支店(小樽市指定有形文化財)をはじめ、著名な建築家の手による近代建築群が立ち並ぶ、歴史的建造物散歩としても楽しいエリア。現在も外観はほぼそのままに、さまざまな文化的施設へと新たな役割を担っているのだそう。

ところで、なぜ今「Love Letter」の聖地巡りなのか?

その理由は、現在製作中という岩井監督の新作「Last Letter」が本作のアンサー作との噂を耳にしたから。

現時点で自身の知る得る情報としては、今では不可能と思われた手紙を使った物語を可能にするアイデアを、監督がある日、ふと思いついたことから構想がスタートしたのだという。よって原作、脚本、編集も監督自ら兼務するようだ。

ちなみにメインキャストの顔ぶれはというと、松たか子、一人二役に初挑戦の広瀬すず、その一方で二人一役の神木隆之介と福山雅治と聞けば、期待度が高まるのでは?

ともあれ、来年早々の公開(予定)を前に、予習または復習をしてみたくなるのが「CINEMATIC JOURNEY」的発想。

というわけでヒロイン2人がすれ違う重要なシーンの一つとなった交差点を背に、観光案内所で入手したロケ地マップを携え、「CINEMATIC JOURNEY」の開幕!目指すは、旧日本郵船(株)小樽支店!


撮影当時から四半世紀ほど経過しているため、大なり小なり変化があるのは当然のこと。そして即座に目に入ったのが、真新しくキラリと光るプレートを掲げた歴史的建造物。ここは1931年に建築された、北海道初の外国人専用「旧越中屋ホテル」だったそう。

中央にある縦2列のベイウィンドウや両脇の丸窓と垂直の窓割り。またアール・デコの影響がみられるステンドグラスが随所にちりばめられ、ロマンチックな様相を醸しだす当館は、ここ長らくの閉館の時を経て、再びこの4月13日に新たな歴史を刻み始めたばかり。

そうと知れば、好奇心が高まるのも無理はない。思わず扉の向こうへと足を踏み入れてみたくなるのでは?


参考までに、この見目麗しき館は、小樽市指定歴史的建造物のみならず、経産省「近代化産業遺産群33」にも指定された由緒正しき建物で、クラシック×コンテンポラリーをコンセプトに、このほど「UNWIND HOTEL & BAR OTARU」という名のブティックホテルへと進化を遂げてから間もない。

正面玄関の先に広がる天井高3.7メートルを誇る伝統とモダンのデザイン的エッセンスが凝縮したレストラン「THE BALL」。またその左手奥には「BAR IGNIS」が夕刻から深夜にかけて、当ホテル名と同じUNWIND(くつろぎ)のひと時を、ふんわりと宙を舞うような球形のライティングのイメージそのままに、館内を温かく包み込んでくれるかのよう。


わずか徒歩圏内の運河沿い散歩にも便利、そしてまた魅力あふれる文化的建築物が立ち並ぶエリアという数々の立地条件からして、「『Love Letter』の撮影が仮に現時点だったなら、岩井監督は新たなロケ地に当館を加えたくなるのでは?」

などと一人勝手に空想の世界を旅した後は、再び聖地巡りへと出発!


まずは「小樽ガラス工房を探していたシーン」とされる運河プラザ前を通過し≫≫


「小樽ガラス工房という設定」で登場した、現「イル・ポンテ」(旧「小樽運河工芸館」)をさらに先へと歩みを進め≫≫


ついに国の重要文化財にも指定されている「旧日本郵政(株)小樽支店」に到着!ちなみにここは、中山美穂演じる主人公二役の内の一人が働く図書館として撮影された場所。

残念ながら現在は、大規模保存修理工事中のため2022年3月(予定)まで長期休館中となっている(涙)


そして締めくくりにもう1カ所。「登場人物の神戸にある邸宅」という場面設定となる旧寿原邸。

小樽の街を一望できる高台に鎮座する「水天宮」とは目と鼻の先にあるここも、小樽市の歴史的建造物に指定されている。またこちらも残念ながら現在、一般公開はされていない。

この他にもまだまだ紹介しきれない大型ゴールデンウィーク直前の「CINEMATIC JOURNEY」、「『Love Letter』的UNWINDな小樽へ」編。

ひとまず今回は、この辺でピリオドを打つとしよう!


P.S.過去(ステンドグラス)と現在(ライティング)の共演ともいうべきシンボリックな1幕が「UNWIND HOTEL & BAR OTARU」の正面玄関にて待ち受ける。


P.P.S.

上記のライティングのイメージと重なる薪能の灯は、東京・銀座のランドマーク「GINZA SIX」ガーデン(屋上)にて今月初旬に開催された、開業2周年(4月20日)祝賀イベントの一幕。

能「吉野天人」を観世流、山階彌右衛門による華麗な舞で、銀座の春の夜を優雅にライトアップした☆


宇佐美浩子の過去のレポートはこちらから

うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中

関連キーワードレポートプラス


Bnr counter agreement
Bnr denshiban

この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事

Btn gotop