3月のカレンダーをめくると同時に、気分も気温も「春」度がアップしたように思う。
そして日本を象徴する花「桜」の季節の到来を、様々なカタチで体感する。
例えば上記、5月23日(月)まで東京・六本木の国立新美術館にてカルティエ現代美術財団と共に主催する「ダミアン・ハースト 桜」展もその一つ。
本国イギリスのみならず、世界を舞台に活躍する現代アートを代表する作家、ダミアン・ハースト。彼の名を目にすると、本展とはやや趣の異なる作品をイメージするアート愛好家も少なくないと思う。実のところ、その一人である筆者としては、最新作「桜」の連作に包まれた空間に身を置いた瞬間、作家の新たな魅力に感動!
温かくて、力強い、エネルギーに満ちあふれ、新しい恋の始まりのようなワクワク感を抱いてしまう。そして「季節の移ろいの中で楽しむ、多様な品種の桜と、つかの間のランデブー」を想起する、表情豊かに迫りくる巨大な24点の作品群は、待ちわびた春の喜びを分かちあうひと時となるだろう。
そんな「『桜』色に染まる春」をテーマに巡る、3月の「CINEMATIC JOURNEY」が向かう先は、ある意味「人生の春」のゴールでもあり、スタートでもあるビッグイベント「結婚式」にまつわるシネマ『ウェディング・ハイ』の話題。
篠原涼子演じるヒロイン、熱血ウェディング・プランナーに「ノー!」という言葉はない。
日々繰り返されるライブイベントとも称すべき、結婚式進行形の最中、思わぬハプニングに遭遇する職業柄、毎分毎秒決断力と実行力に挑むこと必須。だからこそ味わえるチームプレーの重要さも格別だと思う。
新郎新婦がそれぞれに抱く、結婚式への思いと招かれる側の思い。
それぞれの思いが一体化して完成する、「桜の開花」的イメージの宴。それが結婚式なのかも…
個性豊かなキャストたちと繰り広げられる結婚式の舞台となるのは、
☑英国の由緒ある教会を移築した大聖堂「セントパトリックチャーチ」を誇る
☑教会を中心に広がる南仏プロヴァンスの街並が魅力
といった実在の結婚式場とのこと。
そして気になる花嫁の衣装をはじめ、キャラクターをさりげなく演出する衣装へのこだわりもまた「High」‼
なお、「完全オリジナルストーリー」という冠付き本作の脚本は、マルチタレントとして活躍するバカリズムのさらなる才能にあふれた1作。
3月12日(土)<大安吉日>全国ロードショー
©2022「ウェディング・ハイ」製作委員会
結婚式にまつわるシネマの話題が登場したところで、昨年6月の「プロポーズ大作戦からゴールまで」をテーマに、繊研新聞紙面にて掲載したカルチャー「ホテルで学ぶ」シリーズを思い返した。
その取材先「ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ」でも、今、まさに「桜」が大きなラウンドテーブルの上の器を彩るシーズンを迎えているという。
館内1階に2月末、オープンした「TAVOLA TAVOLA by ZILLION(ターボラターボラ by ジリオン)」は、「イタリアン×会席料理」というコンセプトと、季節ごとのテーマ性ある空間と卓上の装飾が特徴だ。
その幕開けを飾ったのが「<SAKURA-SAKU>お花見ランチ&ディナー」の主人公こと「桜」というわけだ。
次々に披露される日伊の食卓の共演の中でも、「桜のお重」に対する感動は、おそらく日本人以上にイタリア人の感動が、かなり「High」に達すること確実ではなかろうかと(笑)
「『桜』色に染まる春」をテーマに巡った今回の「CINEMATIC JOURNEY」。
そのフィナーレは、グローバリゼーションが進化を遂げる世界の中で、食文化における文化的マリアージュを目で味わいながら...
うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中