夏真っ盛りの8月。
「夏休み」というほど長期にわたる休暇でなくとも、暑気払い風に「小休止的時間を過ごしたいなぁ」と思う、私のような人もおいでかと?!
そんな時、プチバカンス気分を味わえるのが近場のホテルだったりする。
そこで、映画の舞台としても登場することの多いホテル自体が主人公となり、その魅力を俳優たちが語るという逆パターンの新作『カーライル ニューヨークが恋したホテル』で、8月最初の「CINEMATIC JOURNEY」をスタート。
テーマは、「ホテル×シネマ=カルチャー!?」
早速ですが、下記の人物は誰でしょう?
繊研新聞の読者の皆さんなら、即お解かりかと思いますが、ウェディング・ガウンで有名なファッションデザイナー、ヴェラ・ウォン。
実は1990年、自身のブライダルサロンをオープンした場所というのが「カーライル」だったのです。
そんな経緯もあり、本作にも登場し、魅力のほどを語っているという訳。
1930年、ニューヨーク・マンハッタンのアッパー・イースト・サイドにて創業。
最上階を所有していたというジョン・F・ケネディを筆頭に、歴代のアメリカの大統領、亡きダイアナ元妃をはじめ英国王室との縁も深く、また映画やファッション、音楽など、世界中から訪れる各界で活躍するきらめく著名人たちを最上のおもてなしで迎える、「名門」と呼ぶにふさわしいホテル、それが「カーライル」なのです。
中にはウディ・アレンのように、2年間ほどの滞在経験を持ち、現在では「カフェ・カーライル」にて自慢のクラリネットをバンド共にジャジーなライブを披露しているとか。
一方、アレン同様、最近では夫人と共に数カ月間、滞在していたというジョージ・クルーニーが満面の笑顔で語っていたのは
‟自宅にいるようにくつろげる”
といった風のコメント。そこにはリピートする理由の片鱗が見え隠れするように思う。
たとえば「宿泊者のイニシャルを刺繍した枕カバーの用意」も、こうしたさり気ないサービスの一つとして、ゲストの気持ちを和ませてくれるのだろう。
なぜなら、「あなただけのためのおもてなしの極意」だから…
そして、もちろん語りつくせない逸話があれども、その秘密を厳守することも品格ある一流の極み。しかも親愛のこもった笑顔を絶やさずに。
そんな各分野のスタッフたちが登場するのも、また本作ならではの見どころと言えそう。
さて、著名なゲスト38人が語る「カーライル」の魅力とはいかに?
8月9日(金)よりBunkamuraル・シネマ他全国順次公開
©2018 DOCFILM4THECARLYLE LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
「ホテル×シネマ=カルチャー!?」をテーマに巡る、8月最初の「CINEMATIC JOURNEY」。
続いての目的地は、映画との親和性もある「庭のホテル 東京」@神田三崎町。
2009年5月、「美しいモダンな和」をコンセプトに、扉を開いてから10年。
オープン以来連続で、ミシュランガイドにて「快適なホテル」にランクインされ、国内外のゲストたちに愛されている。
その人気の秘密は、フレンドリーなサービスにあるという。
‟とりわけアイランド形式のオープンなフロントデスクはゲストとの距離も近く、より親しみやすさをアップしているのだと思います”
と語るのは広報担当の赤羽恵美子さん。上質な日常を体感する空間は、自宅のインテリアの参考にされる方も多いとか。
さて10月末まで展開中の10周年記念「10の特典付き宿泊プラン」に、思わず目が釘付けになった。
なぜなら前述のカーライルの枕カバーの刺繍をさらに上回る、サプライズギフトがお待ちかねだから。
というわけで筆者も記念日を兼ね、プチバカンスを決行することにした。
ちなみに、10個の特典を決定するにあたり、ホテルの全スタッフから100のアイデアが寄せられ、その中から、総支配人自ら数ヶ月をかけ、厳選した内容なのだという。
その注目すべきギフトの一つが、ゲストのネーム入りオリジナルパジャマ!
「東京・秋葉原にある刺繍工房で、職人さんが一人で一枚ずつネームを入れてくださっています」と聞けば、より一層スペシャル感がアップする。
さて、その名の通り、館内随所に設えられた様々なタイプの「庭」が魅力の当ホテル。
今年1月にリニューアルオープンした「ダイニング 流(りゅう)」では、大きなガラス窓越しから見える緑豊かな中庭を眺めつつ味わう朝食「和洋食ブッフェ」が一日の始まりをパワーアップしてくれると人気。
ところで、さまざまな文化的イベントも数多く開催されている。
中でも当ホテルから徒歩圏内にある「岩波ホールの映画とお食事を楽しむ会」は、映画鑑賞@岩波ホール、映画にちなんだスペシャルランチのコース&トークショー@ホテルで構成される人気の企画。
ちなみに今秋開催予定の第8回目は、代表作「スノーマン」ほか、数々の名作を生んだイギリスの絵本作家、レイモンド・ブリッグズ原作の『エセルとアーネスト ふたりの物語』。
作家の両親を主人公に描いた本作は、1920年代から70年代までの歴史や衣装、ライフスタイルなど、細部にいたるまでこだわりぬいたアニメーション作品となっている。
のみならずエンディングを飾るのは、ポール・マッカートニーもブリッグズ作品のファンということも手伝い、本作のために書き下ろした楽曲を自演するという豪華版。
また本作資料によれば、曲の内容は彼が14歳の時に他界した母への思いが綴られており、そしてさらに驚くべきは、その曲に続く曲はなんとポールの父、ジェームズ・マッカートニーの作品!
このとてつもなく感動的フィナーレまでを、是非とも劇場にてご体感のほど♪
9月28日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー
©Ethel & Ernest Productions Limited, Melusine Productions S.A., The British Film Institute and Ffilm Cymru Wales CBC 2016
うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中