大阪・梅田の百貨店におしゃれな20代が現れている。フックになったのが、新トレンドのユニセックスファッションだ。
百貨店はこれまで、ファッションビルを主販路とするブランドの導入で20代を獲得しようとしてきたが、同質化してほとんど成功しなかった。阪急うめだ本店とルクアイーレのイセタンクローゼットは、モードファッションを好む層に焦点を置いたことで、高感度な20代を取り込み始めている。
カップル増える
阪急うめだ本店は3月に婦人服フロアを全面刷新、特に自主編集売り場「D・ラボ」が当たっている。複数のテイストをミックスして編集し、初めて取り入れたのが〝ユニセックス〟だ。阪急メンズ大阪でおしゃれなカップルの購買が増えているため、「オフホワイト」「マルセロ・ブロン」「フェノメノン」、期間限定で「ミルクボーイ」など8ブランドを導入。
「百貨店に来なかったような若いモード好き」(吉田寛子バイヤー)が来店し始めた。売れているのは、圧倒的にTシャツだ。特にXLサイズが良く、男性も女性も買っている。3万円台の高単価なもののほか、大きなクマをプリントした「ミルクボーイ」のビッグTシャツ(9600円)は、SNS(交流サイト)で情報を聞きつけたファンが押し寄せた。
ルクアイーレのイセタンクローゼットでは、15年春の開業後、4階のクリエーターゾーンが計画比10%増前後で推移している。20~30代のカップル客が増加、「アンダーカバー」「コムデギャルソンポケット」「トーガ」など、「ユニセックスも揃うブランドが好調」(塩谷英資バイヤー)だ。