政府は4月26日、コロナ禍と原油価格・物価の上昇に対応する「総合緊急対策」を公表した。今年度予算の予備費と今後策定する今年度補正予算を財源とし、約6兆2000億円の国費を投じる。事業規模は約13兆2000億円。経済産業省は原油価格高騰や、ウクライナ情勢も踏まえたエネルギー・原材料の安定供給対策とともに、中小企業対策を強化する。中小企業対策に投じる政府全体としての国費は約1兆3000億円、事業規模は約6兆5000億円。
コロナ禍で業績が悪化している中小・小規模事業者に対して、日本政策金融公庫など政府系金融機関による資金繰り支援策をさらに拡充する。20年から実施している実質無利子・無担保融資の期限をさらに延長し、9月末までとする。3月4日に策定した中小企業政策「中小企業活性化パッケージ」では、従来の3月末から6月末とすることを決めていた。また、「ウクライナ情勢・原油価格上昇などの影響を受けている中小企業」に対して、セーフティーネット貸し付けの金利をさらに引き下げる。
コロナ禍を受けて新規事業・販路拡大策や業態転換を目指す中堅・中小企業を支援する「事業再構築補助金」を拡充する。「原油価格高騰などの影響を受けた事業者」に対する補助枠を新たに設ける。「詳細は検討中で、業種は限定しない」という。同補助金は20年度第3次補正予算で1兆1485億円、21年度補正予算で6123億円を計上、第4回公募分までで3万5183件が採択され、繊維・ファッション関連も多い。
併せて、賃上げや人材投資に取り組む中小企業に対する優遇税制や補助金の拡充、下請け取引適正化の促進なども重点とする。