日本で最も知られるファッションデザイナーの一人であるコシノヒロコさん。創作とビジネスの世界で60年以上にわたり最前線を走り続けてきた。「ヒロココシノ」ブランドでは24~25年秋冬、また新たな取り組みを始めるという。とどまることのないエネルギーは、どこに向かっているのか。東京・千駄ヶ谷の本社にコシノヒロコさんを訪ねた。
難しいのが面白い
――「文化としてのファッション」を唱えていらっしゃいます。
美しさの視点、日本人の美意識は素晴らしく、非常にレベルの高いものがあると思うんですよ。そうしたものが、きものでは確かに表現できているんですが、果たして洋服に表現できているかというと、海外のまねごとみたいになってしまう。そうではなく、私は若い時から着眼を日本に置いて洋服を作ってきたので、そこを次の時代の人たちにわかってもらいたい気持ちがあって。いかに次世代に日本の文化をつないでいくか。これからの仕事としては、子供たち、若い人たちに刺激を与えるような事業をしていきたいですね。
同時に、ファッションとはアートと一体なんだということを、私の作品をもって見ていただきたい。一般的にアートと言うと、お部屋に飾っておくものという見方がありますが、アートはファッションの根底にある非常に重要な要素で、それが洋服の中になければ、クリエイティブな世界は作れないと考えています。
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