ゴールドウインは二酸化炭素(CO2)を原料にした100%非石油由来のポリエステル繊維を実用化し、「ザ・ノース・フェイス」のスポーツユニフォームなどで7月から採用する。三菱商事、千代田化工建設など7社と共同でポリエステル製造のサプライチェーンを構築した。
(中村恵生)
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CO2由来やバイオベース原料のみで作る100%非石油由来のPET(ポリエチレンテレフタレート)の製品化へ、三菱商事、フィンランドのネステ、韓国のSKジオセントリック、タイのインドラマ・ベンチャーズ、インドのインディア・グリコール、千代田化工建設の7社が共同した。三菱商事と東洋紡の合弁である東洋紡エムシーもサプライチェーンに加わる。参加企業の調べでは、CO2由来原料を使用し、100%非石油由来ポリエステル繊維のサプライチェーン形成は世界初という。
PETは原料モノマーのテレフタル酸とエチレングリコールを重合して作る。このうちテレフタル酸のもとになるパラキシレン(PX)を、バイオベースとCO2由来からそれぞれ調達し、マスバランス方式を採用する。CO2由来PXは千代田化工建設、三菱商事などがNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に採択されるプロジェクトを活用する。
バイオベースのPXは、ネステのバイオベースナフサからSKジオセントリックが製造。これら非石油由来PXを使ってインドラマがテレフタル酸を製造する。インディア・グリコールが製造するバイオベースのエチレングリコールとテレフタル酸を組み合わせ、東洋紡エムシーがPET樹脂を製造する枠組み。
これをポリエステル繊維・テキスタイルにし、ゴールドウインが製品化する。ザ・ノース・フェイスなどのスポーツユニフォームを皮切りに、ゴールドウインの各ブランドで採用検討していく。