福助の新入社員、高野山で"修行"

2016/05/27 07:12 更新


 福助は新入社員16人と昨年入社した2人の社員を対象に、高野山(和歌山県)で2泊3日の研修を行った。高野山は、福助が「感謝の碑」と呼ぶ企業慰霊碑がある縁の深い地だ。

 例年の新入社員研修はストッキング工場や素材メーカー、物流センター、店頭などを会場としていた。今年は「企業のルーツを知る」ことを研修のテーマとすると経営トップから方針が出され、新しい研修スタイルが取り入れられた。

 感謝の碑は商標であり企業を象徴する「福助」像が富士山を模した土台に置かれたもので、1882年の創業以来の物故役員・社員を供養するため110周年の92年に建立された。高野山には有名な企業慰霊碑が数多くあり、名立たる企業の中に自身が入社した企業の慰霊碑があることを認識してもらうとともに、福助の長い歴史やその発展を支えた従業員への感謝の気持ちを共有することが目的だ。これに先立って4月には、福助の商品としてのルーツである足袋を作る四国フクスケにも研修で訪れている。

 宿坊に宿泊しながらの高野山での研修期間中には、住職の法話や高野山大学教授の講話、早朝ジョギング、朝勤行、護摩祈祷(きとう)、写経のほか、個人のキャリアプランと企業の成長を考える課題にも取り組んだ。グループで話し合いをした後に、個人として考えた結果を一人ずつ役員の前でプレゼンテーションした。

 早野将史管理本部人事総務部部長は「今すぐに理解できない内容があったかもしれないが、仕事を続ける中でこの研修で学んだことが腑(ふ)に落ち、点と点が線としてつながっていけば」と話す。来年以降も同様の形で研修を継続する考えだ。

 新入社員は研修の翌週の16日から本配属され、福助でのキャリアを本格的にスタートしている。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事