家庭用品、雑貨卸のフジイ(東京、宮川和雄社長)はイタリアのデザイン雑貨メーカー、アレッシィ社の日本国内での独占販売権を取得し、百貨店や専門店などへの卸売りを強化する。「積極的に常設売り場を提案していきたい」(宮川社長)と、3月27日には阪急うめだ本店7階キッチン&ダイニングに売り場を開設した。同社は「日本でのリブランディング」と位置付ける。
アレッシィは「キッチン」「テーブル」「バー&ワイン」「パーソン」(アクセサリー)などのカテゴリーで、世界有数のデザイナーを起用した個性的なデザインが特徴。世界有数のブランドで、世界70カ国以上で販売している。
80年代に日本で発売して以降、08年に日本法人を設立。東京・青山に旗艦店を出店する一方で、百貨店の家庭用品売り場や家具店、セレクトショップなどで販売してきた。しかしイタリア本社が期待するほど日本での販売は伸びず、旗艦店は昨年10月に閉店した。日本市場への浸透を目指すアレッシィ社にとってはブランド戦略、流通戦略が大きな課題だった。
「アレッシィは世界的に知られるブランドだが、そのストーリーや物作りの背景を日本の消費者に伝えきれていなかった。新たにブランディングすることで市場を拡大することができる」(宮川社長)と、売り場と太いパイプを持つ卸のフジイが積極的にアプローチして契約に至った。
今後は「デザインやアートに親しんでもらいたい」と、デザイナーに焦点を当てた、売り場でのイベント開催のほか、21年にブランド創立100年を迎えることから「ブランドの世界を表現する旗艦店を出店したい」としている。

