ウェブデザイナーとエンジニアのブランド作り シルバーアクセサリー「フメール」

2023/05/22 13:00 更新


商品ビジュアルにろくろを撮り込んで発信

 ウェブデザイナーとデジタルエンジニアが組んでシルバーアクセサリー「フメール」を立ち上げた。ブランディングや発信でIT、デジタルの手法を採用し、「共感、ファンを増やして客と一緒に楽しんで育てていくブランド」を目指している。

 ウェブデザイナーの糸日谷友紀さんがデザイン、デジタルエンジニアの鶴田拓也さんがブランドの運営・管理を担当して21年に合同会社ブルージャムでブランドをスタートさせた。ブランド名は欠陥や短所を意味する「fault」、男性の「male」、女性の「female」を掛け合わせたもの。「他人と違う。どこか変わっている。そうした誰もが感じる違和感を受け入れ、人の不完全さに寄り添うこと」をコンセプトにジェンダーレスなシルバーアクセサリーを提案している。商品はリングやイヤリングをはじめ、ネックレス、ブレスレット、イヤカフなど。中心価格は1万6000~3万7000円。昨年から始めた期間限定では一点物のオーダーも受けている。

 ブランディングの軸に据えているのは「ビジュアル優先」「価値観の強調」「思いの共感(ファン作り)」だ。一見無機質なシルバーにどう思いを込めるか、既存商品との違いをいかに出すかを悩んでいた時に「職人の思いが紡がれてきた伝統工芸と、自分たちの思いが重なった瞬間に揺さぶられるものを感じ」、伝統工芸を絡ませてビジュアル重視でいくことを決めた。

 新作の発表ごとに江戸切子、備前焼、埼玉の小川和紙を訪れて撮影し、SNSなどで発信している。そのビジュアルがきっかけで購入者が伝統工芸の魅力を知り、同時にブランドコンセプトへの共感が深まる効果があるという。

 ブランドとの密な関係作りを狙って、ブランドロゴのFMLを、あえて抽象的なデザインにしている。知る人だけが分かる仲間意識を醸成したいからだ。販売も「目の届く範囲」と決めて売り上げの伸びは追求しない。「共感する客とともにブランドを守り、継続していくことが自分たちの強み」という。

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