経済産業省はファッションに関する知的財産や契約交渉などの「ファッションロー」の初のガイドライン策定を目的とした「ファッションローワーキンググループ」(座長=軍地彩弓gumi-gumi代表)を新設した。昨年11~12月に開催し、今年4月末に報告書を策定した有識者会議「ファッション未来研究会」(未来研)での議論と方針を受けたもので、同研究会の作業部会として発足した。11月29日に第1回会議を終え、第2回会議を12月13日、第3回会議を12月22日に開き、今年度中に報告書とガイドラインを策定する。ファッションローの専門家で、同研究会の委員として問題を提起し、同ワーキンググループ(WG)の副座長である海老澤美幸弁護士(三村小松山縣法律事務所)にファッションローを巡る状況とガイドラインの方向性などについて聞いた。
(有井学)
【関連記事】《注目されるファッションロー 経産省・ファッションローWG副座長海老澤弁護士に聞く㊤》海外、デジタル市場獲得の課題を整理
――「ファッションローワーキンググループ(WG)」での論点は。
11月29日に実施した第1回目の会議では、主に商標と国内外での模倣の問題について議論しました。12月13日に開く予定の第2回会議ではメタバース(インターネット上の仮想空間)やNFT(非代替性トークン)などデジタル市場に取り組む際の留意点や国内を中心とした契約に関わる問題をテーマにします。第3回会議は12月22日に開催予定で、海外での取引問題や文化の盗用、サステイナビリティー(持続可能性)などについて議論します。これをもとに、今年度中に報告書とガイドラインを策定する予定です。
グレーゾーンにも対応
――法整備されている項目とそうでない項目がある。ガイドラインにどう反映させるのか。