買う気を察知するweb接客ツール

2017/02/28 06:50 更新


 ECマーケティングサービスのジャム(東京)が提供する「ファンプレイヤー」は、サイト訪問者の購買意欲を判断し、最適なタイミングで割引券をポップアップするウェブ接客ツールとして注目されている。導入企業では、離脱客の買い上げ率改善、プロパー販売率向上、広告経費削減につながっている。

 同システムは米国のIT(情報技術)システムで、金融取引システムをECに応用している。強みは、サイト内の客の行動のリアルタイム分析。サイト訪問者全体の行動ログを一定期間蓄積した後に、訪問者のサイト内行動ログを解析し、その傾向を基に訪問者に「買う気」があるかどうかを判断して、ポップアップ表示や接客を行う。

 客を特定する情報を必要とせず、購買を迷っている客や離脱客に効果的なアプローチが可能。サイトをどう見回っていて、どれくらい滞在しているかの行動分析傾向から、訪問客の買う気を読む。例えば、買い物かごに入れたまま離脱する客には割引券を出すが、購買意欲の強い客には割引表示をしないため、プロパー販売率を高められる。この判断をシステムが自動で行う。

 導入するアパレル企業では購買率が2・8%に上昇。サイト訪問者数の19%で売上高の87%を占めているが、そのうち、購入を迷っている客と離脱客を合わせた15%で売上高の31%を占めるようになっている。

 「集客数を伸ばす施策より、離脱防止がよりECマーケティングに効果的。経費削減にもつながる」(小柳卓史ジャムウェブマーケティングオフィサー)とする。

ファンプレイヤーを導入する「ニューヨーカー」でのクーポン表示例



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