野村総合研究所(NRI)が毎年発表しているICT(情報通信技術)・メディア市場の規模・トレンド予測によると、国内の消費者向けEC市場は15年度15兆4000億円(前年度比11・6%増)となり、22年度には約1・7倍の26兆円に達する。16年度以降伸びは鈍るものの、年率7~8%台の成長を維持するという見通しだ。スマートフォンをはじめとする携帯端末の普及がその成長を支える。併せて電子決済も広がる。
スマホ、タブレット端末は普及が進んだことから、台数増加率は鈍化し価格下落が続くが、これらが時間・場所を問わないEC利用を可能にしたことがEC市場成長を支える。この市場でのスマホシフトはさらに急速に進むとみている。ただし市場の成長は年率10%以上が持続するとした前回予測を下回る。また今後の継続的な市場拡大には、目先の改善でなくEC未利用者を取り込む方策が必要ともNRIは指摘している。
EC市場の成長に伴い、スマートペイメント(企業・消費者間の電子決済手段)も拡大する。クレジットカード・デビットカード・プリペイドカード・電子マネーを合わせたスマートペイメント市場は、15年(暦年)の59兆3000億円から、22年には1・5倍の90兆7000億円となる見込み。アップルペイやアンドロイドペイなどスマホを利用した支払い・決済がECでも店舗でも広がっていく。