デサントは、国内主力工場の一つで、岩手県奥州市にある「デサントアパレル水沢工場」の移設・建て替え工事を本格的に開始した。約30億円を投じ、これまで以上に難度の高い物作りを可能にする。5月24日には地鎮祭を実施した。完工予定は25年7月。
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新水沢工場は、鉄骨造り1階建てで、工場面積は既存工場の約1.5倍となる約5100平方メートル。建物中央部の高窓から隅々に自然光が届く設計にした。工場の外壁や休憩室の床などには地場産の木材を使い、木のぬくもりを感じられる快適な環境にする。
これまで複数の棟に分かれていたレイアウトは、ワンフロア・バリアフリーとし、動線の改善と生産効率の向上につなげる。休憩スペースの設置や化粧室の増設などで、9割を占める女性従業員の働きやすさにも配慮する。
同工場は1970年に操業を開始し、現在はデサントを代表する商品「水沢ダウン」などを製造する。通常のアウターの4倍近い250を超える工程があり、複雑な構造のため、そのほとんどが手作業で行われている。新工場への建て替えで、付加価値の高い商品の開発・生産を創造的かつ効率的に行えるようにする。