大手百貨店12月売上高 高額品伸び

2017/01/06 06:19 更新


 大手百貨店の16年12月売上高(既存店ベース、速報値)は円安・株高の影響で、インバウンド(訪日外国人)や富裕層の需要増による高額品の売り上げが増加した。高島屋と阪急阪神百貨店が増収となったほか、減収企業も11月に比べてマイナス幅が縮小した。衣料品は主力のコートの動きが鈍かった。

百貨店

 高島屋は高額品の売り上げが好調で、2カ月連続でプラスとなった。免税売上高は前年同月比29・8%増加し、化粧品や宝飾品がけん引した。一方で、婦人服、紳士服・雑貨などファッション商品は引き続き、低調だった。大阪店、新宿店がインバウンド需要でプラスとなったほか、柏店、高崎高島屋、岡山高島屋が増収を確保した。

 阪急阪神百貨店は5カ月ぶりにプラスに転じた。阪急うめだ本店が4・3%増で、改装した婦人服・雑貨や宝飾品が伸ばした。阪急メンズ大阪も1・5%増だった。

 三越伊勢丹は11月に比べてマイナス幅が縮小し、12月後半から防寒衣料・雑貨が動いた。自社カード顧客の売り上げが前年実績を上回った。伊勢丹新宿本店は0・1%増となり、5カ月ぶりに前年を上回った。時計・宝飾など高額品だけでなく、婦人服・雑貨、リビングが復調した。

 大丸松坂屋百貨店は大丸心斎橋店本館建て替え工事の面積減の影響を除くと0・3%増となった。大丸東京店は4カ月連続で増収となったほか、大丸札幌店など主力店がプラスだった。

 そごう・西武は婦人雑貨や食品が前年実績を上回ったが、婦人服、紳士服の苦戦が響いた。西武池袋本店は1・1%減だった。近鉄百貨店のあべのハルカス近鉄本店は1・4%増で、特選衣料雑貨やインバウンドが売り上げを伸ばした。



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