ダイワボウHD 20年4~9月連結決算 架空循環取引の影響で繊維赤字

2020/12/11 16:25 更新


 ダイワボウホールディングスは、繊維子会社の架空循環取引の影響で延期していた20年4~9月連結決算を発表した。売上高は4245億300万円(前年同期比10.1%減)、営業利益は108億5300万円(31.4%減)だった。繊維事業は売上高311億7900万円(17.2%減)で、営業損益は1億9400万円の赤字。架空循環取引の影響で上期の売上高6億4000万円を取り消し、営業利益への影響額として過去の累計損益なども含め19億9400万円のマイナスを反映した。

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 繊維事業は除菌関連商材が大きく伸びた合繊・レーヨン部門が増収増益だったが、産業資材部門がイベント中止などでテント、帆布など重布が苦戦し減収減益。衣料製品部門はマスクなどで一定の出荷があったものの、店舗の閉鎖などアパレル不振の影響が第2四半期から大きく出始め、減収減益となった。通期では売上高617億円(前期比14.5%減)、営業利益12億5000万円(67.7%減)を見込む。

 主力のITインフラ流通事業は、テレワークの広がりや文教分野の拡大などがあったが昨年の「ウィンドウズ7」からの更新需要の反動減をカバーしきれず減収減益だった。

 先般、特別調査委員会による報告書が発表された架空循環取引については、西村幸浩社長ら首脳陣が決算会見冒頭で謝罪。衣料製品の取引によるもので、近々にガバナンスの強化や社内コンプライアンス(法令順守)教育の徹底などの再発防止策を発表する予定だ。



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