入門・クラウドファンディング⑤ 仮説の検証

2018/01/01 17:00 更新


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 前回は、購入型クラウドファンディングの具体的な活用方法やメリットについて書きました。今回は弊社が運営する購入型クラウドファンディングサイト「ENjiNE」を活用し、着実にその後の事業成長につなげている企業の事例を紹介します。

 16年6月、株式会社122(東京、黒澤美寿希社長)が、胸の大きな女性のためのアパレルブランド「ハートクローゼット」を立ち上げる際に、検討している事業アイデアや商品にどの程度の事業性やポテンシャルがあるのかをテストマーケティングするために、クラウドファンディングを実施しました。

 元々は代表の黒澤社長が、自分の胸のサイズに合い、きれいに着られるアパレルが極めて限られる現状を課題視し、考案したのが本ブランドでした。品質には徹底的にこだわり、独自の型紙をベースに立体裁断で加工、隠しボタンやアジャスターなどの機能性ギミックをプラスし着心地と美しさを追求した製品には手応えがあり、入念にモニターに試作品を提供して意見をもらったり、購入の意向を確認していました。

 しかし、実際に販売開始した際に購入していただけるかは未知数であり、モニター以外の方々に本当に受け入れてもらえるのかは検証する必要があると考え、クラウドファンディングの実施に至ったそうです。

 クラウドファンディングで先行販売が開始されると、ブランドの新規性の高いコンセプトや製品の品質などが話題になり、多くの顧客の共感を得て、当初の目標金額の12倍を超える予約注文が入るなど、想像以上の反響がありました。

 200以上の媒体に記事が掲載され、海外でも話題になり、世界中から問い合わせが殺到しました。また、初期の顧客を獲得するだけでなく、その顧客が着用感などをSNS(交流サイト)やブログに積極的にアップし、さらなる顧客獲得につながるなど、顧客ニーズの確認だけでなく、PR効果としても非常に大きなインパクトがあったのです。

 そのほかにも、アパレル業が未経験であった同社がクラウドファンディングで話題になり、成功した実績を積むことで協業先から信頼を得られ、開発や量産のスピード向上につながったり、多くの百貨店から出店依頼をいただき、その後の販路拡大にもつながりました。

 17年10月に出店した西武池袋本店では、本ブランドの存在をクラウドファンディング実施時から認知していたものの、一度は試着してみたいと踏みとどまっていた方が多数来店し、試着して購入するという好循環を生み、売り場内での週間売り上げトップを独走するなど、その後の事業展開においても大きな効果を生んでいます。

 次回も引き続き、購入型クラウドファンディングの具体的な活用事例について、考察を交えてご紹介していきます。

(北嶋貴朗・Relic代表取締役CEO)

きたじま・たかあき 大企業から中小・ベンチャー企業まで延べ100社以上の新規事業開発やオープンイノベーション、マーケティング/営業を支援。自社で運営する複数のクラウドファンディングサイトや、マーケティングオートメーション/CRM/SFAサービスも展開

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