バーニッシュカンパニー ライフスタイル型の新業態

2017/10/11 11:00 更新


 バーニッシュカンパニーは9月22日、マルヤマクラス(札幌市)にライフスタイル型の新業態「フラッタンド」を開店した。同社の直営店では23店目。30代以上の女性を主対象に、雑貨や食品から飛騨家具まで販売する。地元・北海道の食材を使ったものや、道内のホテルで販売している商品を中心に揃えた。商品の椅子に腰かけたり、試飲したりして、実際に商品を体験できる店作りを目指す。売り場面積は約83平方メートルで、初年度売り上げは2500万円を見込む。

(関麻生衣)

 同社は90年創業で、アパレルの卸・販売を主体に手掛けてきた。主力ブランド「アーニス」が10周年を迎えたのを機に、新たな試みとしてライフスタイル業態を開発し、「気分が半音上がる」店作りを目指す。

 「キレイになっていくのが楽しみ」をコンセプトに、内面から美しくなれるような商品を集めた。機能だけでなく、デザインや品質にこだわった物を日常生活に取り入れることで、笑顔になる毎日を提案する。商品の仕入れ先の企画には女性が多く携わり、「女性ならではの視点」が生かされている。

 代表商品は、第一寶亭留(ホテル)翠蝶館(すいちょうかん)(札幌市)との協業品。店頭では、同グループのホテルがある富良野のラベンダー畑をイメージした香りのほか、ホテルの生活を自宅でも体感できるように、同ホテルで使っている調味料、枕、マットレスも販売する。実際にホテルで展示する美術品や扱っている陶器と同じ物を店頭でも展示販売して季節感を演出し、「店内の鮮度を保つ」(吉田雄史バーニッシュカンパニー戦略責任者兼営業本部長)ことを狙う。

 そのほか、タオルと繊維製品の企画・製造販売・輸入卸を手掛ける英瑞の「育てるタオル」(1500~4800円)も販売する。使うほど柔らかさと吸水力、速乾力が増すのが特徴。黒いシックな筒型の箱に詰めて販売する。北海道産の食材で作ったお茶やオーガニックのグラノーラ、ディップも扱い、「北海道の企業としての価値を提案する」。

 店頭では、実際に体感してもらう接客で、会話につなげる。9月は韃靼(だったん)そば、10月はがごめ昆布など、毎月お茶の新商品を出し、試飲を実施。客は飛騨家具の椅子に座り、第一寶亭留のパンフレットを見ながら、お茶を試飲することができる。ホテルの枕の使用感や、育てるタオルの触感も試せるように陳列も工夫した。

 来春には、横浜市内の施設に、服とライフスタイルの複合型の新店も開設予定。軽食や飲み物を購入できるカフェも併設する計画だ。

フラッタンドの店構えは白を基調とした開放的な空間。店内中央には、飛騨家具のテーブルを作業台として設置。客が自由に使えるようにした


第一寶亭留翠蝶館の調味料。自宅でもホテルの味を味わえる
実際に飛騨家具のいすに腰かけることができる
英瑞の「育てるタオル」。触って品質を確かめられる



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