尾州ウールを支える木曽川の水 自治体と民間で給水と水質保持

2024/02/06 07:58 更新会員限定


24時間水質をモニタリング(尾張西部浄水場)

 ウール産地の尾州を支えているのが豊富な木曽川水系の水。硬度20度以下で日本有数の超軟水である木曽川の水は、アルカリに弱い動物繊維のウールの加工に適している。愛知県や一宮市などの地元自治体による給水体制と水質保全の取り組み、そして繊維関係業者が集まって結成した尾張工業用水道協同組合による民間の取り組みが重なり、尾州産ウールの品質や風合いが保たれている。

(浅岡達夫)

 尾州のうち岐阜県羽島市を除く地域の工業用水を供給しているのが愛知県の尾張西部浄水場。岐阜県下呂市の木曽川水系馬瀬川の岩屋ダムを水源に、工業用水は愛知県稲沢市の木曽川大堰(おおぜき)を取水拠点にして一日当たり15万立方メートルを一宮市や津島市など8市2町1村の77事業所に給水している。

 沈殿、濾過(ろか)などの工程を経て、pH(ペーハー=酸性・アルカリ性の度合いを表す指数)や濁度などの基準値をクリアした水を専用の配管を通じて染色整理や糸染めなどの事業者に供給している。また洗浄後の水の再利用や沈殿泥の肥料・土壌改良材への転用など環境配慮に務めているのも特徴だ。

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