ベイクルーズ、「おいしいを直球」で飲食事業80億円

2017/07/20 04:25 更新


行列もできる「フリッパーズ」

 ベイクルーズが飲食事業を拡大している。1日時点の店舗数は70店で、売上高はここ2年で倍増し約80億円(17年8月期)の見通しだ。幅広い客層を引き付けるおいしいメニュー開発を軸に、独自の運営ノウハウを構築する。飲食事業は主に同社のフレーバーワークス部門が運営している。元々は、00年に「ジャーナルスタンダード」新宿店の3階を利用し、ブランド表現の一つとしてスタートした。その後はファッションブランドの冠が付かない業態が増え、19ブランドにまで広がった。

 好調なのは、ジャーナルスタンダードから派生した「JSバーガーズカフェ」「JSパンケーキカフェ」のほか、ニューヨーク発のロブスターロール「ルークス」、スフレパンケーキ「フリッパーズ」、ロンドン発のデリカフェ「フランツ&エヴァンス」、オリジナルのブーランジェリー「ブール・アンジュ」、ファッション&デリカテッセン「シティショップ」。ブール・アンジュは「ゴントランシェリエ」の屋号から順次切り替えている。

 多くの業態を手掛ける中で、飲食は「格好付けても、もうからない。おいしいものをおなかいっぱい食べられるという直球が大事」(野田晋作上席取締役副社長)と実感している。時流に合ったメニューやお得感のある価格で、おいしい商品が支持される。

 ファッション企業だからといって全てをおしゃれさ優先にすると客層が狭まり、回転率も上がらない。例えばスタッフの制服は格好良く、メニューは分かりやすくと使い分ける。

 飲食は一般的に、衣料品よりも原価が低いが単価も低く人件費率が高い傾向にある。これを踏まえた最初のビジネス設計が重要という。席数は決まっているので、店内がすく朝やティータイムに向けたメニュー開発で客数を増やすこともポイントだ。ルークスのロブスターロールや、フランツ&エヴァンスのイートン・メスというシェイクなど、テイクアウトできる商品も客数増につながっている。

 店内設備など初期コストがかかるため現状は投資が先行している部分もあるが、今後は既存ブランドの収益性向上や、新しくてわくわく感のあるブランド開発に取り組む。人材育成や組織作りも重点だ。「お客様から、安心できる、質が高いと思ってもらえる事業にしていきたい」。ベイクルーズグループのカード会員とのポイント共通化など、ファッション事業のお客にさらにアプローチできる施策も考えている。



フリッパーズ


シティショップ


シティショップ


JSバーガーズカフェ


JSバーガーズカフェ





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