旭化成はキュプラ「ベンベルグ」事業で、プロモーションを一新し、素材特性やサステイナブル(持続可能)を全面に打ち出す。展示会やホームページなどあらゆる場を通じてグローバルに統一したイメージを訴求し、ブランドポジションをさらに向上させる。
(中村恵生)
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事業部で検討を重ね、切り口や考え方を整理した。その一環として、1日には日本語版ホームページを刷新、ベンベルグの歴史や製造工程、用途などを紹介している。特に重点を置いたのがサステイナブル関連の情報発信で、未利用繊維のコットンリンターが原料ということや製造時の環境負荷低減、国連のビジネス行動要請(BCtA)への参加、世界での教育活動など幅広い活動をアピールする。
「『良い物だから分かってもらえる』と思い込んでいたが、原料などまだまだ業界内でも知らない人がいた。海外客からも『サステイナブルに関して説明してほしい』という要望もあった」とプロモーションの背景を説明する。
ホームページでは業界人へのインタビュー欄も開設。第1回は文化学園大学の田村照子名誉教授で、ベンベルグへの思い以外に生き方も紹介するなど読み物として充実させる。年明けに英語版、続いて中国語版も設け、世界的に同様のコンセプトで発信する。
来年は海外の国際素材見本市でプルミエール・ヴィジョン(PV)パリ、インターテキスタイル上海のほか、1月のPVニューヨークに初出展する。展示会でも生地だけでなく、統一したブランドコンセプトを提示し、並行して消費者への認知向上も目指す。