旭化成の工藤社長 「自由貿易の前提を変えるのは大きな問題」 

2025/04/10 17:00 更新


 旭化成の工藤幸四郎社長は米トランプ政権による関税措置について「過去、我々が経済危機を乗り越えてきたのは、自由貿易とグローバル展開の基盤があったから。今回の政策は真逆の方向で、基盤や前提を大きく変えるのは大変問題」と懸念を表明した。

 4月10日に開いた新中期経営計画の説明会でメディアに回答した。今後について「このままでは世界が立ち行かなくなると考えている。少し頭を冷やした上で、多くが合意する方向になるのではないかと思う」としつつ、関税への対応策も準備する。

 「各企業がグローバル各地域で展開しているが、アライアンスを組むことで(関税影響を)乗り越えられないか検討したい。立ち止まっているわけにはいかない」とし、企業間のサプライチェーン活用を模索する。

 自社への影響については、「米売上高が全体の2割を占めるが、大半は現地子会社が現地販売するもの。このうち海外からの部材輸入170億~180億円に対して関税がかかるが、100%転嫁は難しいと捉え、中計に織り込んだ」。同時に「リセッション(景気後退)の影響は読み切れない」として除外した。



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