レナウンは今春夏から「アクアスキュータム」をリブランディングし、新規顧客も増え始めている。来春夏もさらに企画の刷新を進め、次世代顧客の開拓に力を入れる。今秋冬商戦は消費増税前の駆け込み需要で9月の売り上げを押し上げた。
(大竹清臣)
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春夏はメンズで13万~16万円のスーツが苦戦したものの、20万円以上のスーツは堅調だった。ジャケットも伸長し、前年実績を確保した。商品刷新によって一部、既存シニア層の離反があり、レディス・メンズ合計では前年を下回った。9月は月末の4~5日間に駆け込み需要が集中し、レディスはトレンチコートが2倍増となるなど前年同月比11%増、メンズは8%増だった。10月前半は反動減となった。
20年春夏企画では、メンズでコートの次の柱を担うドレスアイテムの再構築を重点にする。スーツを型紙から変更し、ラペルや裏仕様、サイジングまでフルモデルチェンジする。関連するジャケットやシャツ、ネクタイも刷新する。主要顧客の50代以上の富裕層を取り込むとともに、40代などその予備軍へのアプローチも強化する。40代にはスリムシルエットのセットアップ企画を提案する。
また新規客の獲得を目指し、新ライン「TEC3(テックスリー)」をスタートする。①コンパクト②コンビニエント③コンフォータブルをコンセプトにこれらの機能を備える。アウターはすべてパッカブル仕様で軽量。洗えるウールのカジュアルセットアップや綿ライクなストレッチシャツなどを揃える。
レディスでは来春夏から新ディレクターを起用し、主力のコートを軸にスタイリング提案を強化する。前半は撥水(はっすい)機能とガンクラブチェック、中盤がサーフイメージのストライプ、後半に都会的なリゾートスタイルを出す。働く女性に向け、宮崎県の自社工場で生産するパターンオーダースーツを拡充する。今秋にトライアルとして百貨店5店で販売、来春夏には20店へ拡大する。
