アミュプラザ鹿児島、施設の営業担当が店頭で初めての研修

2022/11/30 06:27 更新


事前にアダストリアのロープレなどの研修を受けて実践へ

 アミュプラザ鹿児島を運営するJR鹿児島シティは、テナントのES(従業員満足)向上やコミュニケーション力アップに向けて実際に営業担当者が店頭に立って売り場を体験する初めての研修を行った。施設運営者として、テナントとの話し合いやスムーズな運営には現場を理解した上でお互いに共感できることが重要なためで、「販売業務への理解が高まり、新たな気付きもあった」(担当の営業部営業企画課内山奈美課長)と成果が見られた。

 研修の目的は①実務を体験し店舗スタッフの業務内容を理解する②来店客のニーズを理解する③課題を見いだし改善を図る――の三つ。忙しい店頭に営業担当を受け入れたのはアダストリアの「ニコアンド」と「ローリーズファーム」。アダストリアは「ディベロッパーとの関係性があっての取り組み」として、営業担当者とのつながり、コミュニケーションは、その後の連携や店舗運営にもプラスになると考えているからだ。

 研修は5日間で、営業部営業一課の飯尾素子主任(ローリーズファームで研修)と福永未来さん(ニコアンド)が接客や入荷、売り場メンテナス、商品管理などを体験した。事前には、アダストリアの接客ロールプレイングを受けるなどの準備も。研修を終えて、「常に笑顔でいることが大変だった」「商品知識や情報がないと声掛けや接客が難しい」「ストックルームの商品把握や整理整頓が接客にも影響する」など、店頭の大変さを実感。そして、「平日は購買率が高いなど、平日と土日ではお客様の消費マインドが違う」「試着やコーディネートのアドバイスなど、実店舗の良さを改めて感じた」など、気付きも多かった。

 店舗に対しては「繁忙な店舗にヒアリングやアンケート、連絡をする際は時間的配慮や余裕を持つ必要がある」「館内にお客様がいなければ声出しで活気を出しても入店にはつながらない」とイベントなどで館の集客力を高める必要性をより感じたなど、改善点も浮き彫りになった。盛澤篤司社長はアダストリアに対し「研修への協力に感謝し、販売研修体系がきちんと確立されていて感銘を受けた」という。今後は「出店者と課題への共通認識を持ち、協調した施設運営に取り組んでいくために来年度以降も取り組みたい」としている。



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