ラコステジャパン「エーグル」 全店改装・出店も

2017/04/19 06:30 更新


 ラコステジャパンが、3月にヤマトインターナショナルから引き継いだ「エーグル」の国内事業で、具体的なテコ入れ策を講じ始めた。グローバル企画のウェアを新規に始めるとともに、全ショップをフランス本国のイメージを踏襲する内装に切り替える改装を進めている。出店も再開し、早期に60店に戻す計画だ。販促では会員制度など「ラコステ」の成功事例を共有し、活用する。

(杉江潤平)

 改革のテーマは「フレンチアウトドアスタイル」へのシフト。ラバーブーツ以外の商品は、これまでほぼ全て日本で企画・製造し、テイストもカジュアル色が強かったが、3月以降は本国と香港で企画・製造し、本格的な機能を備えたアウトドア用途のウェアを輸入、商品構成の50%を占めるようにした。

17年春夏コレクション

 店舗戦略では、新たな内装コンセプトを導入。ビンテージ調の家具や什器を使ってフランスの地方にある家屋をイメージした雰囲気に変える。ラバーブーツを集積したコーナーも標準化し、3年以内に全店をリニューアルする計画だ。

 新規出店も再開する。現在店舗の無い地域を中心に、100~165平方メートル規模の売り場を年5店ペースで出す。3月17日には新コンセプトによるショップを大阪・なんばパークスに構えた。ブランドの引き継ぎ時に閉店した渋谷本店に代わる旗艦店を、早期に都内で開設する計画だ。

新体制で初出店となるなんばパークス店

 ラコステとエーグルの2ブランドを取り扱うことで、相乗効果を引き出す取り組みも始まった。販促や売れ筋など、双方の情報を毎週共有できる場を設けたほか、ラコステの販売スタッフをエーグルに派遣し、互いに刺激を受け合えるようにした。

 販促面でもエーグルはラコステのノウハウを活用。年間購入金額によって決まるステータス別に、限定イベントへの招待やポイント還元などの特典が得られるラコステのメンバーシップ制度を参考に、このほど「エーグルクラブ」を立ち上げた。生産面では、ラコステのポロシャツを作る秋田工場で、エーグルのポロシャツ生産を始め、18年秋冬から発売する予定だ。

 ディーター・ハーベル社長は、「『ワンカンパニー、ツーブランド、ワンチーム』をスローガンに、相乗効果を発揮できるようにしたい」と話す。

 ラコステジャパンは、60あった店舗のうち不採算店を除く37店と、販売員を中心とした従業員約150人を引き継いだ。ヤマトインターナショナルは93年からエーグルのライセンシーとして事業を展開し、15年8月期には61億円を売り上げていた。ラコステとエーグルはともにスイスのモス・フレール社傘下にある。

ハーベル社長




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