18年秋冬東京コレクション アキコアオキ

2018/03/22 16:47 更新


 アマゾン・ファッション・ウィーク東京18年秋冬は、若手デザイナーのコレクションが相次いだ。ボリュームを生かした量感スタイルがトレンドの大きな流れになる中で、それぞれのアイデアを生かして伸びやかなスタイルが広がっている。その評価を左右するのは、プロダクトのクオリティー。自由なエネルギーの表現も、製品としての出来で見え方が全く変わってくる。そこにどれくらいの意識を持つかが問われている。

(小笠原拓郎)

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 アキコアオキ(青木明子)がそのプロダクションクオリティーをぐっと上げて、オリジナルの強さをアピールした。ピンクの鉄パイプのハンガーラックで仕切られたフィッティングスペース、床には金色に光る靴べらが置かれている。そこに黒衣が服を運んだ後、5人のモデルがシャツやシャツドレスをまとって静かに登場し、コレクションが始まった。

 モデルたちがハンギングされている服を重ねていく、生着替えのプレゼンテーション。アイテムの足し引き、クロスオーバーによってスタイルが変わる。オフショルダーのシャツにパンツを加え、ビュスティエドレスを足していく。それは単純な足し算の重ね着だけでなく、シャツドレスのベルトやプリーツの量感がテーラードコートの中から飛び出してクロスオーバーしていくといったものもある。


 オフショルダーや部分的なカットアウトのディテールもアキコアオキの特徴的なディテールだが、それが複雑なパーツのはめ込みとともにレリーフのような立体感を生み出す。テーラードジャケットはビッグショルダーのボリュームを強調しながらもウエストはきっちりシェイプが利いている。そのバランス感がいい。点数は決して多くないけれど、そのプロダクトの高さと見せ方のアイデアで若手の中では完全に別格の存在となった。次シーズン、ここから先にどう展開していけるのか早くも気になる。

(写真=加茂ヒロユキ)

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