アマゾン・ファッション・ウィーク東京18年秋冬は初日、東京で初めてショーをするブランドや、インドネシアの招待デザイナーによるショーなどが相次いだ。
前回からパリで発表してきたブランドを東京に呼び戻して凱旋(がいせん)ショーを行うなど、東京の求心力を高めているが、秋冬はそれがどう次につながっていくのか注目される。初参加のブランドを中心に、ブランドコンセプトをどのようにとがらせてショーという表現にたけていくかが課題となっている。
(小笠原拓郎、中村維)
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ニューヨークからパリへと発表の場を移した注目のマメクロゴウチ(黒河内真衣子)が、東京でショー形式で新作を見せた。艶やかな女性らしさと日本人らしいクラフトの要素を取り入れて、ミントやブラウンをアクセントカラーにしたコレクション。メタリックストライプ、ニットジャカード、フリンジ飾りのデニム、レースと切り替えたボタニカル柄。ドレスを中心にそんな素材や柄を散りばめていく。
花のドレスは、ヨーロッパのフラワープリントとは違う端正なムードを携え、シアリングのレザー飾りは切り絵細工のような繊細さを見せる。パリのプレゼンテーションでは、良くも悪くも服が〝軽い〟印象だったが、ショー形式で見ると軽さよりもしっとりとした女性らしさのほうが前に出て見える。
そのフェミニンなスタイルは、この間、海外に進出していったどのブランドよりも王道のエレガンスをベースにしている。日本市場では競合ブランドもそれほど多くなく、立ち位置を確立できる。しかし、海外で売るとなると、このラインの競合ブランドは山ほどある。その市場に割って入るだけの服の強さをもっと前面に出していく必要も感じさせる。西洋のフェミニンとは違う、黒河内のフェミニンをさらにとがらせて見せてほしい。
