イオンモールはカンボジアでブランドとしての位置付けを高めている。4月にイオンモールミエンチェイをグランドオープンしたことで、プノンペン市内で3カ所の広域型SCを揃え、外資の参入を阻んでいる。コロナ禍からの回復は道半ばだが、3施設が特徴を出しながら収益性を向上し、参入障壁という機能も固めようとしている。保税倉庫事業にも踏み出し、カンボジア経済の底上げに寄与、市場性を高める取り組みも始まった。
(田村光龍)
【関連記事】イオンモール カンボジア・プノンペンの3施設で地域発展に取り組む
先行して市場占有
「ビフォーイオン、アフターイオンと言われています」(坪谷雅之イオンモールカンボジア社長)。それまで大型商業施設のなかったカンボジアに第1号のイオンモールプノンペンが開業した14年は、現地では流通の画期と認識されている。利便性と豊かさを感じさせるイオンモールの広域型SCはプノンペンの消費を変えてきた。
平均年齢が低く富裕層が広がる魅力はあっても、人口が少ないカンボジア。全体としては所得水準が低いためリスクはあるが、イオンモールは先駆者として進出、その後も投資を続けてきた。18年にイオンモールセンソックシティを開業、今年のイオンモールミエンチェイが続き、プノンペン市内で中心部と南北に3施設が揃う店舗網を構築した。22年、イオンモールプノンペンは1000万人を、センソックシティは1300万人を集客し、人口220万人のプノンペンにあってすでに他を参入させない状況を生み出している。
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!