イオンリテールは16年9月に発売したPB「トップバリュ・ネオフィットスーツ」がヒットしたことを受け、17年春夏物にも力を入れる。レディスでは客層、価格帯とも従来と異なる領域に広がる商材として期待している。
ネオフィットスーツは帝人フロンティアの「ソロテックス」を使い、ストレッチ性とフィット感とともにきちんとした印象をメンズ、レディスで打ち出した。レディスでは就業人口や管理職の増加を背景に、出産からの職場復帰や再就職での需要を想定したという。レディス全体で働く女性への対応を強化しているが、従来はビジネス分野は手薄だった。ネオフィットスーツはテレビCMを打ち、大きく340店で扱うことにした。
イオンリテールは16~17年秋冬物のレディスのスーツ、セットアップの販売量が前年比25%増えた。ネオフィットスーツはその原動力となり、重衣料で久しぶりのヒット商品となった。GMS(総合小売業)では、機能のアピールに力を入れることが多いが、ネオフィットスーツのストレッチ性はその場で体感できて試着から購買につながりやすかった。
20~30代も捉え、購買層の幅は広い。GMSの衣料品は顧客の高齢化を課題としており、若い世代を開拓する商材の存在は大きい。
価格はジャケット1万2800円、スカート4880円、パンツ5800円。ジャケットで7800円、8800円という従来の中心価格よりも上に設定した。「この値段が通るならいろいろ考えられる」(岩松晴子レディス商品部チーフマーチャンダイザー)としており、商品企画の広がりにつながる事例にもなっている。
2月下旬から17年春夏物を販売する。ソロテックスの使用は継続しつつ、秋冬物ではジャージーだった生地を、布帛に切り替える。ストレッチ性、フィット感は生かしながら、薄手になる春夏物でもきちんとした印象を維持するために変更した。
このほかボトム単品での着用を想定し、スカートは秋冬のタイトから春夏物はAラインにした。カラーも黒は継続するが、紺の無地と紺ストライプを加えた。
秋冬物と同様の量を構え、部門の販売数を20%押し上げることを見込んでいる。